R PROJECT R HOME

Designer SPECIAL INTERVIEW

R PROJECT
"R HOME"


志鎌英明(Children of the discordance)
×
安生佳晋(SEMBL)
×
香月丘行(GILET)

古着がカタチを変えて、あなたの家に帰ってきます

RAGTAGがプロデュースするリメイクプロジェクト「R PROJECT(アールプロジェクト)」の最新展示販売会「R HOME」が3月27日(日)まで、ラグタグ原宿店1階のワンルームに見立てた特設スペースで行われました。(現在はオンラインショップで販売中)アールプロジェクトは、RAGTAGとrtに集まってきた膨大な古着たちに再び生命を吹き込み、「いいものをずっと。大切に。」という想いを社会に広めることを目的としたプロジェクト。今回のプロジェクトに参加した7名の中から、志鎌英明さん(Children of the discordance)と、デザイナーの安生佳晋さん(SEMBL)、香月丘行さん(GILET)に、アールプロジェクトの作品に込めた想いなどを伺いました。

Prologue

リメイクの資材として「宝の山」だった膨大な古着の在庫

志鎌英明今回のプロジェクト「R HOME」がスタートしたのは去年の10月頃で、「R HOME」という"服以外のもの"に特化するというテーマにとても興味を持ちました。また、RAGTAGの店頭でさまざまな理由で買い取りに至らず、引き取ったものをわざわざ経費をかけて海外に物資として送ったりしている現状を今回初めて知りました。
――それでまずRAGTAGの倉庫に行かれたんですね。
志鎌はい、倉庫に眠っている膨大な古着を実際に見ましたが、私たちにとっては、リメイクの資材として「宝の山」でした。デザイナー側からみた古着と、消費者が求めている古着の解釈に大きな差があることを感じましたね。逆にそのギャップ感があることで、「行き場のなくなった洋服を蘇らせる」というコンセプトが輝いてきて、このプロジェクトの意味・意義を感じました。そんな「宝の山」から、7デザイナー・アーティストの特徴に合いそうな古着を僕が選んで、それぞれのアトリエに送ることからスタートしました。
――7名のデザイナー・アーティストはどんな反応でしたか。
志鎌倉庫で楽しみながら資材をピックアップした後、各デザイナーと「あーだこーだ」と、楽しく打ち合わせをしながらプロダクト制作に入ってもらいました。それぞれの制作プロセスを見ながら、行き場のなくなったものを再生させて、「自分たちも家で使いたいもの」として新たに作りかえるというのは本当に意味のあることだと感じたし、RAGTAGの会社理念にも強く通ずるものがあると思いました。
Hideaki Shikama / 志鎌 英明
Hideaki Shikama / 志鎌 英明
Hideaki Shikama / 志鎌 英明
――実際に7名のプロダクトが完成して、志鎌さんはどう感じましたか。
志鎌この企画に自分も1デザイナーとして参加させていただき本当によかったと思いました。日本人って器用ですよね(笑)。"JAPAN"っていう感じが出ていて本当に今回のすべての商品が好きです。手作業の難しさを再確認するとともに、経年変化のある服って良いなとか、一点物の個の力の素晴らしさに触れることで、自分の服作りにもいい影響が出そうです。
――RAGTAGに期待することはなんでしょうか。
志鎌リユースショップの先駆者として、今回のプロジェクトのような新しい試みを常に行ってほしいですね。たとえば、RAGTAGの店に行くと「R PROJECT」の商品が必ず販売されていて、ほかの「古着屋・ブランド古着」のお店ではないというアピールをしてほしい。それを見た若い人たちに、「廃棄するはずだった服がリサイクルされている」ことを感じてほしいです。
Hideaki Shikama / 志鎌 英明

Three-way discussion

デザイナーの個性にフィットしたモノづくりに期待

安生佳晋志鎌さんから連絡をいただいて、「洋服のリメイクではなく、ホームアイテムを作る」というのが面白そうで即答しました。
香月丘行志鎌さんとは昔から知り合いですが、2年ぶりぐらいに連絡をもらって久しぶりだな(笑)と。もちろん、「やります」と答えました。テーマの「HOME」がいいなと思いましたね。
安生志鎌さんは何を基準に7人を選んだんですか?
志鎌コンセプトを聞いて頭に浮かんだデザイナーですね。また、それぞれのデザイナーの個性がバッティングしないように選びました。香月さんがソファを作ったのには驚きましたが(笑)。
香月ソファを作るのは本当に大変でしたよ(笑)。
Yoshiyuki Anjo / 安生 佳晋 
Yoshiyuki Anjo / 安生 佳晋 
一番苦労したのはソファ作り?
志鎌香月さんにはレザーとデニムを、安生さんにはネルシャツとデニムをと、素材をある程度絞って渡しました。倉庫には良質のヴィンテージもたくさんあって、皆さんも貴重な良い生地を使っています。香月さんからは、「ソファ作りに苦戦しているけど、頑張っている」と連絡をもらって、声をかけてよかったなと思いましたよ。
安生志鎌さんからは「自分たちのやっていること、得意としているものでアプローチしてほしい」と連絡をもらって、その後に良い生地が送られてきて、やりやすかったです。
香月ソファ作りは面白かったですよ。
安生僕も椅子を作りましたが、1シーターの椅子を実際に分解してみて、これは職人技が必要だなと思い、別のアイデアでアプローチしました。
香月安生さんは冷静だなぁ(笑)。僕は夜中に悩んで、志鎌さんに電話してしまいましたよ。
安生椅子を作るのは大変なので、まず大きな袋を作って、刺繍を入れて、それを椅子にかぶせて、両サイドの脚で固定したスタイルにしました。
香月さすがです。
Takayuki Katsuki / 香月 丘行
Takayuki Katsuki / 香月 丘行 
リメイク作品
それぞれのリメイクアイテムのこだわりポイント
安生僕は椅子とタペストリーとブランケットを作りましたが、リメイクのテーマは、「こだわらないことにこだわっている」です。タペストリーとブランケットはパッチワークしてレターステッチを加えたものですが、タペストリーは周り一周を手縫い仕上げにしたので大変でした。リメイクはぱっと見でも"ワンアンドオンリー感"は出ますが、それをディテール部分にも感じ取ってもらえたらうれしいですね。
志鎌僕はラグとブランケットを作りました。どちらもデニムパンツを作る時のやり慣れている手法をデザインに落とし込んでいます。今回はアーティストの吉田直人さんとのジョイントワークで、僕が企画して、吉田さんが自分のアトリエでハンドメイドで仕上げてくれました。リビングで使える実用性を考えて、ネイビーに統一しています。
香月僕が気に入っているのはバッグです。これは「いかに簡単に作れるか」にこだわって、自転車乗りが持つサコッシュを参考に、ボディ部分にレザージャケットの裾部分を使っています。裁断は大変でしたが、縫製は楽でした。
志鎌香月さんのバッグはとても良い出来ですよ。安生さんは他の作品を見てどんな感想ですか?
「もっと価値のあるもの」に変えていくというアプローチ
安生みなさんそれぞれのブランドのテイストが表れていて、面白いことに取り組んでいますね。今回のプロジェクトに参加させていただいて、ラグタグは「行き場のない在庫がある」ことを公言しながら、こんなファッショナブルなイベントをやるのがすごいです。
香月自分でリメイクのブランドをやっていますが、「無駄を出さない」のが一番良いこと。リサイクルしてのリメイクは世の中ともマッチしていますが、作り直すとどうしても値段が上がってしまう。値段を抑えるなど、もっと良いやり方があるはずですけどね。
安生確かに「リメイクだからできるデザイン」という面白さはありますね。
志鎌僕もリメイクの服が多いので、古着に触れる機会は多いです。一から新品を作るより、リメイクのほうが好きかも。今回は「ファッション的なアプローチでホームリビングを作る」というテーマでしたが、皆さんの個性がしっかり出ていて、リユースのイメージを「もっと価値のあるもの」に変えていくというアプローチは感じていただけるものができたと思います。ラグタグと私たちのお付き合いもこれからきっと変わっていくだろうし、やってよかったですね。こういう機会がもっと増えるといいなと思います。
Takayuki Katsuki 香月 丘行

Epilogue

当たり前のように消費されていく衣類に命を宿らすという試み

――では、3名を代表して志鎌さんからプロジェクトの総括を。

志鎌 今回初めてRAGTAGの倉庫に行かせていただき、買い取った服を大切に洗濯し、検品し、撮影し、それを店頭でも清潔な状態を保って販売しているのを見て、改めて会社の歴史と共に蓄積されたノウハウや業界ナンバーワン足る貫禄を感じました。ただ、現状では、行き場を失った服を粗末にせず、もう一度再生して蘇らせることはそう簡単なことではないとも思います。その一方で、当たり前のように消費されていく衣類に命を宿らすという試みは、今後のファッションマーケットでも大きな役割を果たすと思います。個人的には、このプロジェクトを通じて初めて出会ったデザイナーもいて、いろんな人と仕事をするのは良いなと。本当に楽しんで参加させていただきました。

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