長い夏休みが終わると同時に気持ち的にも夏のモチベーションは終息する。9月に入ると文化祭や音楽会などの秋イベントが始まったり、翌年に向けた進学の準備に気持ちを切り替えたり、とにかく夏から秋への季節の経過は子供のころから特別な時間だった気がする。
大人になって、社会人になって、そんな季節の節目を意識する機会が減ったように思う。それでもファッションの仕事を始めてからは改めて「秋」という季節の始まりにまた特別な気持ちを持てるようになった。
ファッションの仕事とは衣類の流行を追う仕事だからだ。流行=トレンドはフランスのパリコレやイタリアのミラノコレクション、日本の東コレ、アメリカのニューヨークコレクションなど、大手メゾンブランドを中心にSpring・Summer(春夏)とAutumn・Winter(秋冬)の年に2回のショーや展示会で発表される数多の新作のスタイルが作り出す。
ファッション業界において特に秋冬は気合が入る。やはり冬の方が服が売れるからだ。気温が下がって、厚手の素材や重ね着を楽しむ季節というのは万国共通なのだ。しかしながら実際のところ、ファッションにおいて四季を明確に意識している国は実は少ないらしい。
日本と同じ緯度であれば日本と同じように春夏秋冬がある。そういった国々の中でも日本は古くからすべてのものには神が宿るという八百万(やおよろず)の考え方によりすべての自然をリスペクトし五節句や二十四節気などを大切にしながら、身に纏う衣類においても季節ごとの素材や色目に気を配りながら丁寧に楽しむという独自の文化を形成してきたのです。
そんな日本古来の季節に対するファッション感を改めて仕事の中で学んでから、やはり「秋」は夏でも冬でもない季節であって、短い期間でしか楽しめない日本の秋の服の着方をRAGTAGから発信できたらな。
なんて思う日々です。
RAGTAGでは9月1日に一斉に【Autumn&Winter】の新商品が並び始めました。心斎橋店のメンズから私の好みの2点をピックアップ。引き続きの "アメカジ推し" でございます。
スエードスポーツブルゾン:nonnative/¥46,300(税込)/サイズ:1(S-M位) オンラインショップで見る
秋と言えば茶系の色目の服。特に紅葉の中にある少し明るめのオレンジに近い茶色が気分。日本古来の色目では色近衛柿(このえがき)や一位色(いちいいろ)など淡くて奥ゆかしい色目に仕上がるスエード素材がおすすめ。
nonnative(ノンネイティブ)は1999年創業の日本の老舗ブランド。
「洋服とは人生を投影するための道具である」というデザイナーの服への想いは普遍的なモノづくりに投影されています。
モノトーンではなく、ナチュラルで季節に馴染むアースカラーを多用した服作りと、アメリカのワークスタイルに軸を置いたデザイン性が魅力です。
ライダースをベースにしながら日常のスタイルに着回しやすいラグランスリーブ仕立てにコーチジャケットのようなスナップボタン、袖口はカフスの無いスポーティなデザイン。スタンドカラーで武骨な印象も◎
何と言ってもスエード素材特有の色気はこの独特の色目ならでは。
茶系に加えて秋に身に纏いたい色目が 深めの緑
日本古来の色目では 木賊色(とくさいろ)
木賊の茎のような黒っぽい緑色。青黒さを含んだ萌黄(もえぎ)色は一口に緑色と言いきれない。アメカジ好きには「オリーブドラブ」のような色目というと分かりやすいかもしれないが、もう少し黒を交えた奥ゆかしい色目。
パジャマパンツ:THE INOUE BROTHERS /¥20,600(税込)/サイズ:M オンラインショップで見る
デンマーク育ちの井上兄弟によって設立。
南アメリカのペルーやボリビアのアンデス高原に生息するアルパカの毛を原材料に日本のニット産地である東北の老舗工場にて丁寧に編まれたニット製品は唯一無二。
服好きなら一枚は手に入れたい最高のアルパカ製品(ロイヤルアルパカ)は、世界一ともいわれています。
日本のアウトドアブランド【snow peak】とコラボデザイン。
ウエストのナイロンベルトからポケットの仕様まで作りこみの良さに加え、やはり素材の持つ圧倒的な高級感とアウトドアブランドの製品を超越した圧倒的な着心地が魅力。
その他、店内を歩きながら目についた秋冬物をランダムにチラ見せ。
クラシックデザインを中心に、素材や作りの良さを感じていただける洋服たちがたくさん集まりました。ここでは語りつくせない物量が故、店頭にてお話させていただければ幸いです。
アメカジ推し の吉岡が店頭で気張ってお待ちしております。
お知らせ
9月7日までお買い取りキャンペーン中です。お買い物前にぜひクローゼットを整理してご相談ください。詳しくはこちら