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BUYER'S VOICE RAGTAGバイヤーのファッション偏愛をお届け!

RAGTAGスタッフもお客さまと同じくらいファッションが大好き。
このコーナーでは、豊富なファッション知識を持つバイヤーたちが、
自ら偏愛するブランドやアイテムをご紹介します。

私の好きなブランド、あのアイテム

TENDER Co.
“Type431 WALLABY SHIRT”
バイヤーのファッション偏愛

心斎橋店 NISHINAKA

■[TENDER Co.(テンダーコー)]とは

テンダーコー ブランド

[テンダーコー(以下、テンダー)]はデザイナー、William Kroll(ウィリアム・クロール)氏が立ち上げたイギリスのブランドです。洋服作りのルーツは19世紀、蒸気機関車が走っていた時代のイギリスに遡ります。[テンダー]とは蒸気機関車の石炭と水を運ぶ貨車部分の名前。当時の作業着のデザインをベースとし、「洋服の中に自然を取り入れる」というコンセプトの基、様々な天然素材や染料を使用して洋服を作成しています。

■ワラビーシャツ

テンダーコー ワラビーシャツ テンダーコー ワラビーシャツ ポケット

形は定番で展開されている、ワラビーポケットと呼ばれるフロントのポケットが特徴的なシャツです。セットインスリーブが主流でしたが、2019年よりラグランスリーブタイプもリリースされました。武骨な形ももちろんですが、個人的に気に入っているのはこの生地感と、染めによるムラのでた表情です。

■生地へのこだわり

テンダーコー ワラビーシャツ 生地

[テンダー]の洋服に使用される生地は、ある土地で伝統的に織られている物、本来洋服に使うことのない、洗濯用バスケットの生地や、車の天井に張られる生地などの日常的に存在する物、マッキントッシュクロスのゴム引き加工を施す前のコットン生地等多数あります。これらの生地をベースとし、[テンダー]流にオリジナルで織ったものを使用します。聞くだけでも面白く、触れてみたい!と思わせるものが多いですね。 こちらの生地はCOTTON TAUNTON(コットン・トーントン)呼ばれるもの。イギリス・サマセット州にあるトーントンという町で伝統的に織られている11オンスのヘビーウェイトのファブリックで、元々はウール素材で織られています。[テンダー]はこの生地をベースにコットン素材でオリジナルに製作しています。しっかりとハリとコシのある生地なので着応えも抜群で、汚れを気にせずガシガシ着る事が出来ます。

■染料へのこだわり

テンダーコー ワラビーシャツ 染料

[テンダー]の洋服におけるもう一つの特徴が「染め」。冒頭で説明したコンセプトの通り、染料は主に天然素材を使用しています。ログウッド、アカシア、アブラナ科の植物ホソバタイセイなどから採れる染料を使用し伝統的な方法で染め上げています。こちらのアイテムに使用されている染料はウォルナット(くるみ)で、くすんだブラウンの様なマロンカラーの様な、深い色味に仕上がっています。メリハリのある染まり具合の生地に木のボタンがとてもマッチしており、とても雰囲気があります。このジャケットは着始めてまだ2年目ですが、5年後、10年後にはどんな表情になっているのか楽しみです。

■男心をくすぐる魅力

テンダーコー ワラビーシャツ 魅力

[テンダー]にしか出せない生地感や染めの風合い。これは写真で見るだけでなく、是非実際に手で触れ、試着して存分に味わっていただきたいです。染めや縮絨等の加工によって個体差が生まれるアイテムが多く、収縮具合によって同じサイズ表記でも着心地が異なる事もありますが、それがまた魅力でもあり、同じものが無く全ての洋服が違う表情を持つ点も男心をくすぐるポイントですね。

心斎橋店 NISHINAKA

心斎橋店 NISHINAKA

2012年入社。2015年よりバイヤー。 裏原ブーム時代に憧れたストリートブランドが洋服に目覚めたきっかけ。 着込むほどに風合いの増すような、経年変化の楽しめる洋服が好き。

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