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BUYER'S VOICE RAGTAGバイヤーのファッション偏愛をお届け!

RAGTAGスタッフもお客さまと同じくらいファッションが大好き。
このコーナーでは、豊富なファッション知識を持つバイヤーたちが、
自ら偏愛するブランドやアイテムをご紹介します。

私の好きなブランド、あのアイテム

VANS
“ストリートの定番スニーカーの歴史”
バイヤーのファッション偏愛

事業推進チーム NAKAJIMA

■ストリートの定番に歴史あり

事業推進チーム NAKAJIMA インタビューされている様子

[VANS(ヴァンズ)]のモデル「OLD SKOOL」は近年、年齢、性別を問わないアイテムとして爆発的に人気になり、今や定番アイテムとして、不動の地位を築いています。登場は1977年で、40年以上が経った今でも、形を変えずにストリートの中心にあるシューズです。

ヴァンズ オールドスクール

特徴的なサイドラインは「ジャズ・ストライプ」と呼ばれ、「OLD SKOOL」自体が通称「JAZZ」と呼ばれることもあります。90年代の雑誌には「JAZZ」との表記が多かったので、現在40代くらいの方たちは、ついつい「JAZZ」と呼んでしまうこともあるかもしれません。ワッフル状のソールパターンは自転車のペダルの食いつきが良く、80年代にはBMX用のシューズとして、ストリートで人気があったと言われています。

■[ヴァンズ]の日本上陸

実際に[ヴァンズ]を街でよく見かけるようになったのは90年代に入ってからで、1990年に渋谷やアメ横にABC-MARTがオープンし、1991年にABC-MARTが日本の総代理店になってからはまず「Caballero(FULL CAB)」や「HALF CAB」が良く履かれていたのを思い出します。「HALF CAB」は伝説のスケーター、スティーブ・キャバレロのシグネチャーモデルで、初代のモデルがハイカットの「Caballero(FULL CAB)」、そのくるぶしのパッド部分を半分に切ったものが2代目の「HALF CAB」です。

ヴァンズ ハーフキャブ ヴァンズ ハーフキャブ タグ

こちらの写真は「HALF CAB」の1992年のオリジナルです(デッドストックを履かずに保管しています)。90年代まではアメリカ製でしたが、現在発売されている復刻版はベトナム製です。アメリカ製の方が現行のベトナム製に比べてシルエットがシャープなのが特徴です。くるぶし部分につく“HALF CAB”の文字も、オリジナルはタグ、現行の廉価版は刺繍のロゴが入っています。オリジナルはタンの部分の素材が劣化して細かい粉が出てくるのが難点ですが、ウレタンを使っているスポンジ状素材の宿命ですね。

1994年にABC-MARTが[ヴァンズ]の国内商標使用権を取得したタイミングと同じくらいに、ストリートではカモフラージュの「SK-8 HI」と「OLD SKOOL」がコアな人達の中で人気となり、さらにその後は現在のストリートの中心的なブランドである[Supreme(シュプリーム)]や[UNDERCOVER(アンダーカバー)]とのコラボも登場し、ストリートでの人気もいよいよ定着します。

ヴァンズ スケーターハイ

「OLD SKOOL」と「SK8-HI」はローカットとハイカットとの違いですが、時代の気分によってどちらか一方に人気が流れることが多いように思います。ここ数年は「OLD SKOOL」優勢でしょうか?

■カルチャー味あふれる特別な一足

ヴァンズ ドッグタウン オールドスクール

最後に紹介するのは、2001年製作の「DOG Town&Z-BOYS」というスケートボードチームのドキュメンタリー映画の、日本公開(2002年7月20日)を記念して発売された特別な「OLD SKOOL」です。当時、ABC-MARTの特別企画で独占販売されました。

ヴァンズ ドッグタウン オールドスクール ヒール部分

プレーンな黒ベースの「OLD SKOOL」にインソールとかかと部分に「DOG TOWN」の文字を施した控えめなカスタム。箱はステイシーペラルタのスケートシーンが映っている特別仕様。この映画のパンフレットのレビューには今は亡きT-19の大瀧浩史さんや、トリップスターの野村訓市さんも名を連ねています。

[ヴァンズ]のスニーカーは、周辺のカルチャーも含めて全くブレのない永久定番ともいえるのではないでしょうか。RAGTAGでも[ヴァンズ]のアーカイブ品から定番モデルまで、多数取り扱っています。現行モデルにはない個性的なデザインや仕様、ブランドとのコラボを探し出すのも楽しみの一つです。

事業推進チーム NAKAJIMA ヴァンズを使ったスタイリング

NAKAJIMA

カルチャーとリンクしているファッション好きが高じて1999年に入社。長年ファッションに携わっているので過去から現在までのファッションの成り立ちを把握しているのが強みです。ストリートブランドのアーカイブ品のことならお任せください。

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