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BUYER'S VOICE RAGTAGバイヤーのファッション偏愛をお届け!

RAGTAGスタッフもお客さまと同じくらいファッションが大好き。
このコーナーでは、豊富なファッション知識を持つバイヤーたちが、
自ら偏愛するブランドやアイテムをご紹介します。

私の好きなブランド、あのアイテム

LANVIN
“珠玉のメンズライン”
バイヤーのファッション偏愛

吉祥寺店 バイヤー IHARA

■[LANVIN]とルカオッセンドライバー

ランバン ブランドロゴ

[LANVIN(ランバン)]は1889年に創業し100年以上の歴史を持ち、服飾メゾンでは[CHANEL(シャネル)]や[Dior(ディオール)]などより古い、最古参の部類に入る由緒正しいブランドです。
その長い歴史の中でルカ・オッセンドライバー氏は、2005年にメンズのアーティスティックディレクターに就任し、13年間にわたり[ランバン]のメンズウェアのデザインを手掛けたベテランデザイナーです。メンズラインはルカによって始まり、正に0からスタートだったと言えます。[ランバン]の歴史を語る上で、このメンズラインの13年間は欠かせない存在です。

■ルカ・オッセンドライバーが作る[ランバン]のデザイン

ランバン ジャケット

当初ルカ・オッセンドライバーは、メンズ・レディースを統括し、クリエイティブデザイナーをやっていたアルベール・エルバスのもとでメンズラインをデザインするようになり、フォーマルを基軸に、テクニカル素材とバイアス断ちのパターンワークやオーバーロックなど、細部まで拘ったデザイン・コレクションで一気に世間の注目を集めました。
細かい仕様にこだわったデザインが多いため、一見するとルカのデザインは非凡に見えるものも多く、どこがそんなに良いのか理解されにくいのですが、じっくり手にとって見てみると、光沢のある素材を存分に使い、カジュアルアイテムでもテーラーのように上品で紳士らしいエレガントさを残しつつ、いかに良いシルエットや着心地になるか細部までこだわられていて、人気が出るのも頷けるものばかりです。

世の中のトレンドや移り変わりにも敏感で、フォーマルスタイルにもスポーティーなムードを加えるスタイルは、今でこそ“スポーツミックス”として一般的ですが、[ランバン]は10年以上前から試行錯誤を行い、毎コレクション称賛されるような素晴らしいデザインを発表してきました。

ランバン 赤いパーカー

■アンフォーマルなテーラードジャケットとスラックス

ランバン セットアップ

[ランバン]はテーラーを基軸としているので、ジャケットやシャツなどのフォーマルなアイテムが多いのですが、今でこそあたり前に見られる異素材との組み合わせを一早くやっていたブランドでもあります。見た目もそうですが、ナイロン地にスウェット地を加えるなど、窮屈なスーツからの脱出を図ったデザインも多く見られ、佇まいは静かなデザインでしたがいつも挑戦的なデザインばかりでした。

■色で示すブランドらしさ

[ランバン]のロゴを用いない、自己主張が強くないというところに気品を感じ、共感を覚えている方は多いのではないでしょうか。ロゴの代わりに[ランバン]は、“ランバンカラー”と呼ばれるブランドを表す色があります。中でも代表的な物がランバンブルーです。 ランバン ランバンブルーのスニーカー こちらは日本のライセンス事業となっている[LANVIN en Bleu(ランバンオンブルー)]の元にもなっている青の色で、15世紀の画家フラ・アンジェリコの絵画に、創業者のジャンヌ・ランバンがインスピレーションを受けたことに由来しています。他にも淡いピンクやチェリーレッド、珊瑚色やアーモンドグリーンと、一目で[ランバン]と分かるような美しい色味のものばかり。この“色で示す”というブランドの姿勢に、気品と誇りの高さを感じます。

[ランバン]は歴史の長いブランドであり、ルカが担当した10数年ですら歴史の一部でしかない素晴らしいブランドです。もうルカは退任して彼のデザインを見る事はできないのですが、過去のアイテムをじっくりと手に取り観る事ができるのもブランド古着の面白さです。ぜひ過去の逸品をRAGTAGでご覧になってみてください。

吉祥寺店 IHARA スタイリング

IHARA

2008年入社。バイヤー歴10年目。ジャンル問わず、洋服の背景にある作り手の思いやバックボーンを追及することが好きで、得た知識を常にお客様に伝え、楽しんでいただく事をモットーに店頭に立っています。

BUYER'S VOICE

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