WEAR am I ?
ファッションをこよなく愛するRAGTAGスタッフが贈るファッションコラム。
長年着てきたからこそわかるブランドの魅力をたっぷりご紹介します。

WEAR am I ?

1994年のデビューから日本のカルチャーを牽引してきたブランド[UNDERCOVER(アンダーカバー)]。
パンクで裏ファンタジーな世界の魅力を、RAGTAG下北沢店店長、ONDAが余すことなくお届けします!

WEAR am I ?
「UNDERCOVER」

パンクの中に潜む美しさ、精巧さ。

RAGTAG下北沢店 店長 ONDA

RAGTAG下北沢店 店長 ONDA

Sleeveless parka,Inner wear,Pants:UNDERCOVER

[アンダーカバー]との出会い

大学時代、[PHINGERIN(フィンガリン)]というブランドが好きだったんですがおしゃれな先輩から、
“[フィンガリン]が好きなら、[アンダーカバー]も好きそう”と教えてもらったのが最初のきっかけです。
ネットで検索してみたら、気になったセットアップがあったので、さっそく青山店に行ってみることに。
お店の佇まいからオーラがあったので、入るのは緊張しましたが、
思い切って一歩足を踏み入れると、お店の雰囲気もイメージしていたとおりで、
[アンダーカバー]の世界観が詰まっていて感動したのを覚えています。
ただ、事前に調べていたセットアップのことを販売員の方に聞いたら、「そんなのないよ」と言われてしまい、
“普通には買えないアイテムなんだ!”って衝撃を受けました。
そのまま帰るのは悔しかったので店頭にあったスキニーパンツを見ていたら、販売員の方が、
「股上が浅くって履きにくいかもしれないけど、だからこそかっこいいんですよ」っておすすめしてくれて、
履いてみたらパンクっぽくって本当にかっこよかった。
[アンダーカバー]のスキニーパンツはそれからも何本か履きましたが、
毎シーズン、クラッシュの加工具合やシルエットが絶妙で、素晴らしいデザインばかりです。

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2015年秋冬『NO (B)ORDERS』スキニーパンツ

[アンダーカバー]=高橋盾。

[アンダーカバー]を語る上で欠かせないのが、デザイナーである高橋盾さん(以下ジョニオさん)の存在。
ジョニオさん自身の思考や周囲から受けたインスピレーションがクリエイションに反映されている
、人間味あふれるブランドだからこそ、まさに、“高橋盾が[アンダーカバー]であり、
[アンダーカバー]が高橋盾そのもの”なんだと思います。
自分が好きになったのは2013年くらいだったので、
ジョニオさんのインタビューや雑誌記事を読むために古本を探したりしました。
中でも、『asayan』 という雑誌で、
“高橋盾×NIGO®×藤原ヒロシ”が気になるものを紹介している連載記事がすごく面白くて。
映画『時計仕掛けのオレンジ』や、パンクバンド『セックスピストルズ』など、ここから知るカルチャーがあったり、
3人の仲のいい関係性とか、当時の空気感をリアルに感じることができてワクワクしました。
裏原ブームから今まで第一線で活躍し続けているこの3人が、同じ時代に揃っていたことは奇跡だと思います。
今もその動向が注目されていて、次々と流行を生み出している。
何十年も。ここまで探究心が湧くブランドは他にはないです。

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レベルミュージックをデザインの随所に盛り込んだ2018年春夏
『音楽は死なない』チェックガウンコート

衝撃のパリコレクションデビュー

2002年、パリコレクションのデビューショーは衝撃でした。
『かさぶた』から着想を得た“SCAB”と名付けられたこのショーは、膨大な端切れから1枚1枚手作業でパッチワークされていて、
その根気のいる作業を考えると1着に懸ける想いが伝わってきます。
服を破壊し再構築していく、[アンダーカバー]のクラッシュ技術の真骨頂。
ガラムボール(バリの鈴のお守り)やコインの飾りが施されていたので、
きっとショーでは、モデルが歩くたびにシャラシャラとした音が響き渡り神秘的だったんだろうなぁ、と妄想してしまいます。

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2003年春夏『SCAB-かさぶた-』2002年にパリコレクションデビューした作品
2016年春夏に復刻で発売されたモデル

2004-05年秋冬 “BUT BEAUTIFUL…”

このコレクションは、ジョニオさんの“好きなもの”が色濃く表現されていて大好きです。
ジョニオさんが集めていたぬいぐるみの作家、アンヴァレリー・デュポンとコラボレーションしたコレクションで、
アンヴァレリーが制作したマスクを付けてモデルが登場します。
ぬいぐるみから着想しているので生地やボタンにも中綿が入っていて、武骨なハンドステッチがかっこいいんです。
ボタンも一つ一つ違っていたり、とにかく細かい部分まで完璧でした。
もし今発売されたら、全部欲しくなって大変ですね。

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2004-05年秋冬 『BUT BEAUTIFUL…』 ぬいぐるみ作家アンヴァレリー・デュポンの作品から着想したコレクション

[アンダーカバー]の編集型ショップ『MADSTORE UNDERCOVER』

エントリーには『MADSTORE』もおすすめです。
セカンドラインを取り扱うコンセプトショップで、キャッチーなデザインに、手の届きやすい価格帯の商品が多く揃います。
デイリーに取り入れやすいTシャツやスウェット、コーチジャケットから、ポーチ、トートバッグ、キャップまで、幅広くカジュアルなラインナップ。
[アンダーカバー]の世界感を、より身近に感じられるショップです。
コラボレーションアイテムも限定販売したりするので要チェックです。

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MADSTORE UNDERCOVERで取り扱うマッドな商品たち

[アンダーカバー]のグラフィックTシャツ

手刷りTシャツからスタートしたブランドの真骨頂

『 ×Television“Marquee Moon”』

70年代NYのロックシーンと現代の ポップなデザインを融合した 2015年春夏コレクション。 パンクバンド『テレヴィジョン』の アルバムジャケットがプリント されたコラボレーションTシャツは [アンダーカバー]好きはもちろん テレヴィジョンファンにもたまらない1着。

『UNDERCOVER 4 COMME des GARCONS』

2005年春夏コレクション "but beautiful2" [COMME des GARCONS(コムデギャルソン)]と コラボレーションした 伊勢丹限定モデルの白。 メインモチーフの脳をデザインし 首、袖口、裾は断ち切りで but beautifulシリーズオリジナルボディ。 発売数も少なく貴重なモデル。

『NO (B)ORDERS』

2015年秋冬のショーテーマ "NO (B)ORDERS"が プリントされたTシャツ。 シンプルながら印象的なデザイン。 このシーズンのルック写真の ポーズはデビットボーイを イメージしていた。 境界線にフォーカスを当てた コレクション。

[アンダーカバー]、ダークファンタジーの世界

エレガントなドレスでも、レースにドクロや歯、蜘蛛のモチーフが使われていたり、
随所に毒が見え隠れする、ちょっとダークなグラフィックが入り込んでくるのが、[アンダーカバー]の魅力です。
王道のファンタジーではなくて、ダークファンタジー。考えの裏を突いてくる感じです。
常に根源にはパンクの精神が見え隠れしていて、クラッシュ加工をしたり、汚したりしているところもいい。
人が美しいと感じる物だけが美しいわけじゃない、というのを教えてくれた気がします。
知れば知るほど、その奥深さに魅了される[アンダーカバー]。
僕がまだ知らない[アンダーカバー]のことも、たくさんお話したいです。
ぜひ、新宿店に遊びに来てください!

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毎シーズン必ず発表されるグラフィックは高橋盾のイメージを具現化させる重要な要素。

BRAND

ブランド紹介

UNDERCOVER

UNDERCOVER

1990年、デザイナーの高橋盾が一之瀬弘法と文化服装学院アパレルデザイン科在学中「アンダーカバー」を設立。
「今までの世界にないものを創りたい」といったコンセプトのもと、
独自の世界観で表現されたファッションの調和や、美しさの中に破綻したアンバランスを感じさせるデザインが魅力。
毎シーズン、テーマに合わせ表現される色使いやプリント柄も注目され熱狂的な支持を得ている。ストリートファッションの王者とされるカリスマ的ブランド。