WEAR am I ?
ファッションをこよなく愛するRAGTAGスタッフが贈るファッションコラム。
長年着てきたからこそわかるブランドの魅力をたっぷりご紹介します。

WEAR am I ?

スタッフ紹介:MUTO
2008年入社。バイヤー歴10年
Yohjiの生み出す独特なドレープ感は、他のブランドの「黒」とはまた違った雰囲気があります。
全身ブラックコーディネートの中にも、自分らしさを出したコーディネートを意識しています。

WEAR am I ?
「Yohji Yamamoto」

唯一無二の世界観

RAGTAG渋谷店 店長 MUTO

RAGTAG渋谷店 店長 MUTO

Coat:Yohji Yamamoto pour homme
Pants:Yohji Yamamoto pour homme
Shirts:Marc Point

[Yohji Yamamoto(ヨウジヤマモト)]への一歩

[ヨウジヤマモト、以下ヨウジ]を着るようになったのは5年ほど前のこと。
30歳になったのを機に、カジュアルで若々しいファッションは卒業して、
自分のスタイルを決めようと思ったのがきっかけです。
それまでは[kolor(カラー)]や[Engineered Garments(エンジニアドガーメンツ)]など、
カジュアルに着られる旬のブランドを好んで着ていました。
[ヨウジ]は武骨でガタイのいい大人の男性こそ似合うブランドだと思っていて。
30歳を迎え、年を重ねてもかっこよく着続けられるブランドを探していたときに、
そろそろ[ヨウジ]を着てもいいのではないかと、少しずつ着るようになりました。
もともと、ヴィンテージやミリタリーも好きだったこともあり、それらの要素もある[ヨウジ]に魅了されました。

圧倒的な世界感

[ヨウジ]は時代に合わせて変化しながらも、
服そのもののから感じられる独自の世界観をずっと貫いていることに魅力を感じます。
80年代に[COMME des GARCONS(コムデギャルソン)]とともに世界に出て日本を代表するブランドとなり、
どちらも過去のコレクション作品から最新作までを熱心に探している長年のファンが大勢います。
[コムデギャルソン]が常に誰も見たことがないような新しいものを創造し続けるのに対し、
[ヨウジ]は黒を基調としたオーバーサイズの重厚なスタイル、西洋の紳士服、
軍服や労働着を彷彿とさせながらも日本ならではの美的感覚を結び付けている
唯一無二の世界観というのは一貫して変わらない。
トレンドに左右されることなく、いつのシーズンのものでも何歳になっても着続けることができます。
その一方で、今はコレクションラインの
[yohji yamamoto POUR HOMME(ヨウジヤマモトプールオム)]とは別に様々なラインがあり、
世界観はそのままに新たな見せ方や提案の幅を広げています。
[adidas(アディダス)]とのコラボレーションラインの[Y-3(ワイスリー)]、
メッセージ性の高い詩やアートのプリントものを中心とした
[BLACK Scandal Yohji Yamamoto(ブラックスキャンダルヨウジヤマモト)]、
モードをけん引してきた[ヨウジ]ならではのラグジュアリーなアクセサリーライン[discord(ディスコード)]、
ユニセックスでカジュアルな[B Yohji Yamamoto(ビーヨウジヤマモト)]など、
少しずつテイストや価格帯、売り方に変化をつけていて、挑戦しやすく身近に感じられるようになっています。

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[ヨウジ]を象徴する「ウールギャバ」

[ヨウジ]の服をみて[ヨウジ]らしい、と感じる要素の一つにあるのが、
「ウールギャバジン(通称ウールギャバ)」という素材。
これは制服やコートなどによく使われる高密度の綾織物のことで、
しなやかで丈夫、ドレープ感や光沢感が特徴です。
[ヨウジ]では加工を施し「シワギャバ」と呼ばれる生地を使っています。
生地の仕上げの工程であえてシワやシボをつけてウール本来の風合いを強く出しており、
長く着ていくと生地がもともと持つ光沢感が増していくため味わい深いものになっていきます。
袖を通し、動いたときに現れる美しいドレープ、陰影は[ヨウジ]ならではのもの。
確固たる世界観のあるデザインだけでなく、経年変化の楽しみもあります。

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お気に入りアイテム

「12 tuck BLACK denim pants(2016)」

2016年に発売された、1991-1992年秋冬コレクションのレプリカモデル。前後6本ずつタックが入ってボリュームのあるシルエット、14ozのデニムにリメイク風の刺繍が施された重厚感のある一本。この一本を買ったタイミングで手放してしまいましたが、実は最初に購入した[ヨウジ]も12 tuck denim pantsでした。ウールギャバから揃える人も多いですが、カジュアルなスタイルから移行するにあたってそれまでのワードローブと違和感のないものから揃えようとこのデニムを選びました。

「シワギャバの定番、紐パンツ」

毎シーズン定番で出ている、シワギャバの紐パンツ。品番にも秘密があり、「100」がついているものはどのシーズン、どのアイテムとも合わせられるアイテムという意味。[ヨウジ]を着るうえで欠かせないものです。

「Yohji Yamamoto×adidasのレザースニーカー(2017)」

[ワイスリー]ではなく、[ヨウジ]と[adidas(アディダス)]のコラボレーションアイテム。ハイカットのスーパースターをベースに、シューレースではなくジップを使った斬新なデザインが魅力。デザイン性が高いのに、[ヨウジ]のスタイルに溶けこむのが見事。

これから[ヨウジ]に挑戦したい方へ

かつて20代の頃はまだ若い自分では着こなせないと思っていましたが、
今では若い方にも手に取りやすいアイテムが多く出ています。
数多くある[ヨウジ]の中でもおすすめなのは[s’yte(サイト)]。
こちらはデザインチームが手掛けるオンラインショップ限定のラインで、
[ヨウジ]らしさは存分にありつつも普段使いしやすいカジュアルなデザインで価格もお手頃。
それでいて日本製にこだわり、品質も確かというのが嬉しいところ。
それから徐々にコレクションラインやインパクトのある柄ものなどを取り入れていくのもいいですね。
RAGTAGでも80年代~最新コレクションまで幅広く取り扱っているので、歴史があり奥が深い[ヨウジ]の魅力、
興味を持った方はぜひ気軽に挑戦してみていただきたいです。

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BRAND

ブランド紹介

Yohji Yamamoto

Yohji Yamamoto

1972年の創立から現代まで第一線で活躍し続ける日本を代表するブランド。1981年のパリコレクションデビューではCOMME des GARCONSと並び当時タブーとされた黒を使用したボロルックを発表しファッション業界に大きな影響を与えた。反骨精神から生まれた多くのデザインは後に続く多くのデザイナーに影響を与え、マルタン・マルジェラやドリス・ヴァン・ノッテンらもYohji Yamamotoのセンスがに影響を受けたと公言している。