モノグラムに敬意を表して[LOUIS VUITTON]
Buyer's VOICE
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YANAI
銀座店 / バイヤー
好きなブランドはCHANELやHERMES、LOUIS VUITTON。歴史的背景や、ブランドの確固たるスピリッツを感じられること、時代とともに進化し続ける所に魅力を感じます。時代を超えて良いもの、価値あるものはしっかりお買い取り評価させていただきます。ハイブランドのお買い取りはお任せください。
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LOUIS VUITTON スピリッツ
1854年にトランク製造業者として創業した[ルイ ヴィトン]。
その歴史はいつの時代も「旅」をコンセプトに歩んできました。
1896年にジョルジュ・ヴィトンがモノグラムを考案したことにより、モノグラムはブランドを代表するアイコンとなりました。
「イニシャルのLVと花と星」が小紋柄のように並ぶパターンは日本の家紋がインスピレーションとも言われています。
時代の流れで旅の手段が変わると、旅行バッグに求められる仕様も変化します。
そんな時代背景と共に[ルイ ヴィトン]は、常に新たなことに挑戦し続け進化を遂げてきました。
古くは、輸送機関の発展に注目し、積み上げが可能な平面な蓋を持つトランクを考案したりと、進化しながらも高い品質を保持することは、揺るがないブランドのプライドです。創業当初から技術を研鑽し今に至るまで、伝統を継承し続けること。これがトップブランドとして君臨し続ける所以ではないでしょうか。
モノグラムに敬意を表して
前述の「挑戦」を象徴するプロジェクトが2014に年行われたのはご存知でしょうか。
「アイコンとアイコノクラスト:Celebrating Monogram」です。
これは他の製品とは異なり、ブランドの原点であり象徴のモノグラムを、そのイメージを破壊するような独創的かつ、これまでにない手法で表現するという試みです。
2014年、永遠のアイコン「モノグラム」を讃えた記念すべきプロジェクトです。
プロジェクトには6名のトップクリエイターが選ばれ、中にはクリスチャン・ルブタン、カール・ラガーフェルド、そして[コム デ ギャルソン]の川久保玲など、世界のクリエイティブをリードする錚々たる面々が名を連ねました。名前を聞いただけで作品への期待に心が弾みますよね。
クリエイティビティ溢れるアイコノクラストたちがファッション、アート、アーキテクチャー、プロダクトデザインの領域を超えモノグラム・パターンのキャンバスを素材に、自由な発想でデザインし[ルイ ヴィトン]の職人がそれを実現させるという、もう二度とない夢のコラボレーションなのです。
川久保 玲 による“バッグウィズホールズ”
〈2021年に再販された“バッグウィズホールズMM”〉
日本が誇る[コム デ ギャルソン]のデザイナー。
川久保玲の作品は“バッグ ウィズ ホールズ(穴の空いたバッグ)”です。
縦型トートにヌメ革のハンドル。バッグの前後に大きな穴を配したデザインは正に破壊的。1982年コレクションの穴あきニットのようにセンセーショナルです。
キャンバスにPVC加工を施すことで、丈夫で傷汚れが付きにくく、また防水性が高いことで中の荷物を守る…など、モノグラムキャンバスが出来た経緯と真髄をひっくり返すデザインに思わず笑みが溢れます。
プロジェクトの期待を裏切らないユニークで破壊的な作品は、両ブランドのファンを満足させる一品だったのではないでしょうか。
また、2021年に[ルイ ヴィトン]銀座並木通り店リニューアルオープンを記念して、「バッグ ウィズ ホールズ 」は素材をレザーに替え、リデザインとサイズ展開を増して再度限定販売されてました。
ブラックのグレインカウハイドレザーに大胆な穴を空け、内側に取り外し可能なポーチも追加されました。
サイズはMM(オリジナルと同様)、PMサイズにはショルダーストラップが付属し、よりラグジュアリーな仕上がりです。
[ルイ ヴィトン]と川久保玲のスピリットがぶつかり合ったデザインは、破壊的でかっこいいだけではなく両者の挑戦が作品に詰まっているように思います。
アイコン×アイコンは思わぬデザインを生み出し私たちを楽しませてくれます。
最近、多く発表されるコラボレーションの中でも大変珍しく、コレクションしたくなるデザインではないでしょうか?
今考えると発売当初、大変リーズナブルな価格設定でしたので買っておけば良かったな…と後悔しています。今はプレミアム価格です。
でも今見つけたら2014年の初期モデルを手に入れたいです。