
No.17 「同い年。1985年に生まれたブランド」TOMMY HILFIGER
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イマに続く1985年の40のコト。
RAGTAG創業と同じ1985年に誕生したブランドの魅力を、RAGTAGのバイヤーがご紹介。
今回はアメリカを代表するカジュアルブランドのひとつ、 [TOMMY HILFIGER (トミー・ヒルフィガー)]について。
text : WEB買取チーム バイヤー KUZE
photo : TAWARA(magNese) / edit : Yukihisa Takei(HIGHVISION)

Profile
KUZE
WEB買取チーム / バイヤー
個性的でカラフルなアイテムや古着を混ぜたリラックス感のあるコーディネートが得意です!プライベートでは子育てに奮闘中。毎日にぎやかに楽しく過ごしています。お客様には安心してお買い物、お買い取りを楽しんでいただけるような空間を一緒に作っていけたらなとお思います。ぜひお気軽に何でもご相談くださいませ!
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ロック好き青年の華麗なスタートが……?

[トミーヒルフィガー]と聞くと、アメリカブランドらしいカジュアルでスポーティな洋服をイメージされる方も多いのではないでしょうか? 世界的にも有名で、誰もが知るブランドですが、最初はデザイナーのトーマス・ジェイコブ・ヒルフィガー(以下 トミー)が友人と始めた小さなお店が出発点です。その小さな規模のスタートは、創業当時のRAGTAGにも通ずる所があり、私自身は[トミーヒルフィガー]というブランドにとても親近感を持っています。
デザイナーのトミーは元々、ロックスターに憧れていましたが、小柄なトミーはギターよりも洋服のカスタマイズの方が上手に出来ることに気づき、当時流行していたベルボトムのジーンズをおしゃれにカスタマイズしたいという思いで、ジーンズを中心とした『People’s Place』というショップを友人と一緒に開店します。
当時のトミーは20歳そこそこでしたが、自力でお店を開店出来るやり手でした。ところが今ならSNSなどを通じて簡単に自分で作った洋服を売り買いできる時代ですが、当時はそういった宣伝ツールもなく、売り上げを作るのにとても苦労し、結果、あっさり倒産してしまいます……。
それでもトミーのファッションへの情熱は絶えず、本格的にファッションデザインとビジネスを学び、実業家の支援を得て、1985年に自分の名を冠したブランド [トミーヒルフィガー]を立ち上げます。
ブランドの象徴 フラッグロゴ

1980年代のアメリカはクラシックやトラディショナルなスタイルがベースでした。トミーはそれをベースに、 [トミーヒルフィガー]らしいカジュアルさとモダンさを加えた洋服を提案した結果、当時の若者のスタイルにがっちりハマります。
当時の若者の間ではチノパンや紺ブレザーなどを取り入れた、俗にプレッピースタイルと呼ばれる東海岸の大学生ファッションの象徴的なスタイルが中心。その頃に出たのが、 [トミーヒルフィガー]ブランドを代表する赤、白、青のフラッグマークを付けたTシャツやポロシャツです。
このアメリカ国旗を想起させるカラーリングのマークは、アメリカの人々にとっては愛国心、そしてそれ以外の国の人々にはアメリカに対する憧れを刺激。シンプルながらも印象に残りやすく、ワンポイントにもなるので、ブランドを象徴するものとして今でもたくさんのアイテムに使われています。
自らを「ファッション四天王の1人」としてアピールに成功
トミーは最初のビジネスでの失敗を教訓に、宣伝の打ち方も工夫しました。
タイムズスクエアに「ファッション界の新しい四天王の1人」と自らを売り出す広告を掲載し、一気に知名度をアップさせます。当時の人気ブランドは[RALPH LAUREN(ラルフローレン)]、[Calvin Klein(カルバン・クライン)]、[Perry Ellis(ペリー・エリス)]が3大ブランドとして君臨していたので、そこに自分の名前を加えて四天王の1人と売り出したのは、トミーらしい自信の表れだったのかなと思います。
その効果もあり、Snoop・Dogg(スヌープ・ドッグ)、TLC、Aaliyah(アリーヤ)、Destiny’s Child(デスティニーズ・チャイルド)などの人気ヒップホップミュージシャンが[トミーヒルフィガー]の洋服を着用した事で人気がさらに急上昇!特にスヌープがTV番組でラガーシャツを着たことで、お店では完売するほどの大人気アイテムとなりました。
アメリカン・クラシックの代表格に

当時人気のある[ラルフローレン]のようなトラッド系アイテムに、より若者が着用しやすいカジュアルさを加えたことと、ロック、ヒップホップなどの音楽カルチャーとの融合により、若者のスタイルに影響を続けてきた結果、アメリカン・クラシックの代表格とも言われる地位に立った[トミーヒルフィガー]。
デザイナーのトミーは今でも現役で活躍をされており、メンズ、ウィメンズ、キッズ、スポーツ、アンダーウェア、香水など幅広いラインナップに広がっ[トミーヒルフィガー]は、アメリカだけでなく世界中の人々に愛されています。
[トミーヒルフィガー]はデザインだけではなく、素材や縫製にもこだわっており、高品質であるのにに対し、価格帯においてはリーズナブルに設定されているので、コストパフォーマンスもとても良いと思います。
90年代に発売されたポロシャツやTシャツは今でも古着などで見かけますが、30年以上経った今でも普通に着られるほど丈夫です。リバイバルファッションが流行している現在において、改めて着ていただくと、さらにブランドの良さを実感してもらえるのではないかなと思います。
最近ではF1ドライバーのLewis Hamilton(ルイス・ハミルトン)とのコラボで話題となる一方、100%オーガニックコットンを使用したり、植物性由来の繊維から作った糸を使って縫製を行ったりなど、サスティナブルな活動も話題になっているので、まだまだこれからも注目され続けるブランドだと思います。