
ラグジュアリーブランドのリバイバルアイテム
Trend Time Machine
トレンドは繰り返す?RAGTAGスタッフが、現在の市場動向やお買い取りの現場からリバイバルトレンドを語る新連載。今回は高騰が続いているラグジュアリーブランドのバッグ、その背景にある”リバイバル”をテーマに二人のバイヤーが語ります。

Profile
YANAI
rt銀座店 / バイヤー
2001年入社。rt銀座店3Fラグジュアリーフロアを担当。デザイナーと職人の想いのこもった作品に魅了され探求する日々。世の中や企業の動き によるファッションへの影響の面白さにもはまっています。お買い取りもお気軽にご相談ください。

Profile
HIBINO
rt銀座店 / バイヤー
2015年入社。rt銀座店3Fラグジュアリーフロアを担当。日々入荷する素敵な商品に私自身心をときめかせています。ヴィンテージから現行品まで幅広く、確かな品質と洗練されたデザインで長く愛用いただけるアイテムをご提案いたします。
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ラグジュアリーブランドのバッグが高騰している?
-今回は「ラグジュアリーブランドのリバイバルアイテム」がテーマなのですが、アイテムと言ってもほとんどバッグです。実際、今の価格はどうなっているのでしょうか。

YANAI(以下 Y) : ラグジュアリーブランド全体もそうですが、バッグもかなり定価が値上がりしています。かつてと同じシリーズのモデルでも、1.5 倍から2 倍くらいになってしまっています。
HIBINO(以下 H) : 昔は仕事をがんばってお金を貯めて買う、というものだったのですが、今はちょっと頑張っても買えない価格になっていますよね。
Y : さらにアイテム自体が入手困難になっているものが多いので、新品はなかなか買えないということで、当店のようなリサイクルのマーケットでお探しの方が増えていますね。
-そんな価格状況になっていたのですね。そして今回のテーマの“リバイバル”とはどういうことですか?
Y : ラグジュアリーブランドは、ほとんど形を買えずにずっと続いている[エルメス]の“バーキン”や“ ケリー”、[シャネル]の“ マトラッセ”、[フェンディ]の“ バゲット” などもあるのですが、過去にヒットしたり、定番化していたバッグを新たなデザイナーがリデザインをしたものを出すんです。それを“リバイバル” と呼んでいるのですが、このリバイバルのバッグ自体も人気で入手困難、かつ過去のバッグもその影響で再び高騰しているんです。
-それは具体的に言えば、どの辺のモデルですか?

新たなデザイナーが現代的にアレンジし、リバイバルさせたモデル。
(左)[グッチ]“ オッティリアバンブー” ¥98,000
(右)[セリーヌ]“ トリオンフ” スモールバーティカルカバ ¥219,300
※当社販売価格
H : たとえば[セリーヌ]がかつて“ マカダム”という名前で出していて、エディ・スリマンがデザイナーになってから“トリオンフ”と名前が変わったモデルや、[グッチ]の“ ダブルG” と呼ばれるバッグやバンブーのバッグも、アレッサンドロ・ミケーレがデザイナーになってから作ったものなどですね。各ブランドでそれぞれ沢山出ています。
過去のモデルも 買取価格に変化が
-ブランドのイメージも再びフレッシュになって、忘れられた過去のアイテムの価値も上がっているんですね。やはりそうなると、お買い取りの価格にも変化はあるのでしょうか?
Y : かなりありますね。一時期大流行したバッグでも、流行りが過ぎてしまうと、お買い取りの価格も下がってしまいます。7、8 年前までは、「申し訳ございません、こちらはお買い取りができません」とお伝えしたり、お買い取りできても数千円しかお値付けできなかったものが、今だと数万円でお買い取りしているケースはよくあります。
Y : 90 年代、2000 年代は確かにみなさん必ずと言っていいほど、ラグジュアリーのバッグをお持ちでした。しかしそこから少し“ ハイブランド離れ” があって、お持ちの方が減ったんですよね。セレクトショップなども価格的にミドルクラスのバッグを手掛けるようになって、みなさん選択肢が増えた背景はあると思います。

ーお買い取りができない、もしくは数千円だったものが数万円でお買い取りをするようになっているというのはすごい変化ですね。
H : お客様と接客でお話していると、「このバッグ私も持っていたわ」という会話になることがあります。「それはお使いになっていますか?」と思わず聞くと、「全然使っていない」とおっしゃる方も多いので、「お売りになるなら、“ 今” です!」という会話になることも多いです(笑)。
Y : 逆に「手放すタイミングが少し早かったわー」とおっしゃるお客様も多いですね。
ーちなみに現在、RAGTAGに置いてあるものは、リバイバル前のものとリバイバル後のものと、どちらが多いですか?
H : 半々か、少しリバイバル前のものの方が多いですね。そもそも新作は入手困難な状況が続いているので、なかなかお持ち込みいただけないんです。探している方も非常に多いんですけど。
いま、売りに出すなら どんなブランド?
-女性はラグジュアリーブランドのバッグをお好きな方が多いですが、かつてほど皆さんがお持ちの印象はないですよね。こうした流れはどのようにお考えですか?
Y : 90年代、2000年代は確かにみなさん必ずと言っていいほど、ラグジュアリーのバッグをお持ちでした。しかしそこから少し“ ハイブランド離れ” があって、お持ちの方が減ったんですよね。セレクトショップなども価格的にミドルクラスのバッグを手掛けるようになって、みなさん選択肢が増えた背景はあると思います
H : その一方で、「良いものを買って、長く使いたい」という方も増えましたよね。ラグジュアリーのバッグをしっかり見定めてお買いになって、定番的に長く使う方や、自らのファッションに上手に取り入れる方も増えている印象です。
-そういう中で、最新作だけでなく、過去のバッグも価格が上がっているというのは面白い状況ですね。

リバイバルにより、再び脚光を浴びているヴィンテージモデル。
(左)[クリスチャンディオール]“ トロッター” ハンドバッグ ¥69,800
(右)[グッチ]“ バンブー” バニティバッグ ¥82,600
※当社販売価格
Y : そうですね。非常に面白い流れだと思います。少し前まではお買い取りできなくて申し訳なかった状況が、今はお買い取りできるようになっているのは、バイヤーとしては嬉しいですね。お買い取りの選択肢が広がっているということでもありますので。
-ちなみに、「いま売るなら」、どんなブランドのバッグが良いと思われますか?
H : 先ほど申し上げた[エルメス]の“バーキン”や“ケリー”、[シャネル]の“ マトラッセ” などは安定した価格ではありますが、今の状況で言えば、[ルイ・ヴィトン]のモノグラムのバッグは良いと思います。
Y : 私もそう思います。それこそみなさん昔は必ずひとつくらいは[ルイ・ヴィトン]のモノグラムのアイテムをお持ちだったと思うのですが、ここに来てまた人気が再燃していますし、過去のモデルでも今はお買い取りさせていただくようになっています。

買うのも売るのもおすすめしたい[ルイヴィトン]のモノグラム
(左)“ スピーディ35” ¥62,800(右)“ エリプスPM” ¥129,800 ※当社販売価格

不変的な価値をもつ永遠の憧れ[シャネル]“マトラッセ”
クラシックスモールハンドバッグ ¥1,391,100 ※当社販売価格
ーおそらくタンスの中で何年も眠っていて、状態によるお買い取りを気にされる方も多いと思うのですが。
H : もちろん状態を拝見しないと何とも言えませんが、少し前に比べると、多少の汚れや傷があってもお買取りさせていただくことは増えています。だからもしお家にもう使っていない[ルイ・ヴィトン]のバッグがあるなら、「今がチャンスです」とお伝えしたいですね(笑)。