[CHAMPION]キング・オブ・スウェットの理由

[CHAMPION]キング・オブ・スウェットの理由

Buyer's VOICE

COLUMN

2023.08.30

こんにちは、RAGTAG原宿店の上野です。
今回特集させていただくのは、“キング・オブ・スウェットシャツ”と称される[チャンピオン]です。
誰もが一度は、袖を通したことがあるブランドではないでしょうか?
私も、10代、20代の時は古着が好きで、友達と下北沢や高円寺の古着屋にスウェットシャツやカレッジTシャツを求めに、散策していた頃を思い出します。

UENO

Profile

UENO

原宿店 / バイヤー

原宿店の上野です。SupremeやSSZといったストリートブランドが好きでよく着用しています。スニーカーも好きで、NIKE、VANS、CONVERSEを収集しています。最近は、アウトドア志向でDAIWA PIER39やNIKE ACGなどに興味を持ち、ストリートと掛け合わせてファッションを楽しんでいます。

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    [チャンピオン]の始まり

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    [チャンピオン]の歴史は、他のアメカジブランドに比べて浅いのは、ご存じでしょうか。

     

    [リーバイス]が1853年、[ペンドルトン]が1863年、[カーハート]が1889年、と老舗アメカジブランドに比べ、[チャンピオン]は1919年と他の老舗アメカジブランドより歴史が浅いことがわかります。

     

    では、一体どのようにしてまだ歴史が浅い中で“キング・オブ・スウェットシャツ”と称せられるまでに至ったのでしょうか?

     

    創業当時から厳しい環境下でも耐久力を持ち、保温性、動きやすさといった、軍用の厳しい基準をクリアしていたことから、米軍の兵士訓練用のトレーニングウェアとして採用されており、元々機能性の定評がありました。

    “リバースウィーブ”

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    さらに[チャンピオン]の名を広げたのが、“リバースウィーブ”です。

    [チャンピオン]のヴィンテージをお探しの方も、この“リバースウィーブ”をお探しの方も多いのではないのでしょうか?

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    “リバースウィーブ”とは、通常縦に使う素材を横に使うことで、綿素材なのに縮まないという、スウェットの弱点を克服した[チャンピオン]オリジナルのテキスタイルのことです。

     

    1930年代当時のアメリカでは、スウェットシャツはスポーツ用のユニフォームとして着用されており、こまめに洗濯にかけられるものでした。乾燥機がメインのアメリカでは、さらに縮みやすく寿命が短いという声に応えたのが“リバースウィーブ”でした。

     

    顧客に寄り添い、企業努力で成しえた功績と言っても過言ではありません。

     

    なお、[チャンピオン]ではこの“リバースウィーブ”の特許も取得しているため、他のブランドには出せない着心地の良さと生地の強さは真似出来ません。

     

    この開発がなければ、今の時代まで状態が良いまま古着として残っていなかったかもしれませんね。

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    〈左「現行モデル」、右「90年代に発売されたヴィンテージモデル」〉

     

    “リバースウィーブ”は現在も[チャンピオン]から発売されており、非常に人気を誇っています。今回は古着の“リバースウィーブ”の魅力に迫りたいと思います。

     

    自分も経験があるんですが、新品の“リバースウィーブ”って縮まなく頑丈なので、ごわつきが気になるんですよね。

    これをなじませるようヘビロテして着用して、体になじませてデニムの用に育て上げるのも楽しみの一つですが、古着の場合はなじみやすくなっているのがほとんどなので、すぐ即戦力としておしゃれを楽しむことが出来ます。

    タグの変遷

    また、年代によりディテールが変更しているので、それを古着屋で見つけるのも楽しみの一つです。

    “リバースウィーブ”は、首元のタグにより年代判別が出来ます。有名なのが、「単色タグ」と「トリコタグ」です。

    単色タグ

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    〈単色タグ 1970年代に流通〉

     

    単色タグ前期

    1971年~76年は「単色タグ前期」と呼ばれ、サイズごとにタグに印字されているカラーが異なります。

    XSが緑、Sが青、Mが赤、Lがエンジ、XLが金色と色別されており、「赤単」や「青単」というような呼称もされていました。

    素材も綿100%ではなく、綿90%、ポリエステル10%の混紡素材を使用していました。

     

    単色タグ後期

    1976年~81年は「単色タグ後期」と呼ばれ、素材がポリエステルに比べ保温性や質感、着色しやすい点などがより優れるアクリル素材に変更しています。

    トリコタグ

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    〈トリコタグ 1980年代に流通〉

     

    写真の赤いスウェットシャツのタグが、1980年代ころより、トリコロールカラー(青、白、赤)で構成されたトリコタグと呼ばれるものです。

    現行の“リバースウィーブ”もトリコロールカラーを採用していますが、「トリコタグ」と呼ばれる物はこの80年代のものだけになります。素材も「トリコタグ」の時期から、「単色タグ」で見られたアクリル素材に加えて、レーヨン素材が使用され始めました。

    レーヨン素材は、水に弱く、しわになりやすいという弱点がありますが、吸湿性、放湿性に優れていて、独特の光沢感が魅力的で当時採用されていました。

    刺繍タグ

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    〈刺繍タグ 1990年代に流通〉

     

    1990年代からは、「刺繍タグ」に変更しトリコロールカラーはそのまま、ロゴ等刺繍であしらうようになります。

    生産も1990年代後半から、USA製からメキシコ製に変更されています。

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    〈経年変化が出やすい通称「染み込みプリント」〉

     

    こちらは90年代、アメリカ製のトリコロールタグのスウェットシャツです。

     

    こちらは、染み込みプリントを施しており、プリント部分をインクで染み込ませる技法を使っているので、経年変化が出やすく生地と共に風化されていくサマはヴィンテージ好きの方にはたまらないアイテムです。

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    このように、[チャンピオン]がいかにして、顧客に常に耳を傾け、着心地を追及し続けていたのかがよくわかります。

     

    また、これらのタグデザインから、歴史を紐解くことができることも、古着好きの若者から大人まで“キング・オブ・スウェットシャツ”と呼ばれ愛される理由なのではないでしょうか。

     

    RAGTAGでは、[チャンピオン]の年代物の古着から現行の物まで、買取強化をしておりますので、クローゼットで眠っている物がありましたら、ぜひRAGTAG原宿店にお持ちください。

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