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[CHANEL]の魅力
マトラッセのチェーンバッグ
Buyer's VOICE
こんにちは、rt銀座店のTSUKIOKAです。
前回のエルメスに続き、今回は[シャネル]というブランドの魅力と歴史、人気モデルのバッグについてご紹介します。

Profile
TSUKIOKA
銀座店 / バイヤー
20年以上銀座在職する中、エルメス、シャネル、ルイヴィトンはもちろん、高級ブランドジュエリーや宝飾系時計、サルト系の洋服や高級靴に魅せられてます。お客様との一期一会を大切にし、次のお客様への架け橋になれれば幸いです。
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[シャネル]といえば?

ツイードジャケットやマトラッセ柄のチェーンバッグ、香水などをまず思い浮かべるのではないかと思いますが、その[シャネル]のはじまりは今から115年時を遡ること、1909年にパリ17区マリゼブ通りにココ・シャネル、本名ガブリエル・シャネルによる帽子屋からでした。
翌年1910年パリ1区カンボン通りに「シャネルモード」という帽子専門店、その3年後の1913年高級リゾート地ドーヴィルにモードブティック、1915年ビアリッツにメゾンドクチュールをオープンしてオートクチュールデザイナーとしてデビューします。
ココ・シャネルは当時の富裕層のファッションスタイル、息のつまるようなコルセットスタイルや華美な装飾で実用性がなく頭にもフィットもしない帽子に疑問を持ち、女性の目線で新しいものを生み出してきました。着心地の良いジャージドレスやアーム部分にとくにこだわったツイード素材のジャケット、頭にフィットする実用的な帽子などの革新的なファッションスタイル提案を、デザイナーとして1916年に第1回シャネル・オートクチュール・コレクションを発表して以来、1971年まで考案し続けました。そのココ・シャネルの残したものは今もなお世界中の人々を魅了し続けています。
革新的なアイテムを続々と発表したココ・シャネル

ココ・シャネルの革新的な功績は帽子や服だけではありません。
創業から12年後の1921年アイコンともなる“NO.5”の香水が誕生します。数多ある香水の試作品の中から5番目のサンプル品を最終的に選び、それが香水名として採用されました。
ココシャネルもこの「5」という数字を自身のラッキーナンバーと明言しているストーリーや、マリリン・モンローが寝る前に[シャネル]の“NO.5”を5滴というストーリーなどもみなさまも一度は耳にしているのではないでしょうか。100年以上たった今も“NO.5”の香水は人々に愛され続けている逸品です。
その他にも1924年にはスキンケア商品や、1932年にジュエリーなども製品化しています。
マトラッセ柄のチェーンバッグ
それではアイコニックなマトラッセ柄のチェーンバッグはいつごろ発表されたの?と疑問に思う方もいらっしゃるかと思いますので、ここからはシャネルの代表作マトラッセ柄チェーンバッグのお話をさせていただきます。
実はマトラッセ柄のチェーンバッグはココ・シャネルが考案したものではなく、1983年から2018年までデザイナーを務めたカール・ラガーフェルドが1983年に発表したものになります。

《1955年に発表され、今も人気の高いキルティングバッグ “2.55”》
1920年代に女性の間で主流となっていたバッグは、装飾のついたクラッチバッグや華美なハンドバッグで片手がふさがるものでした。
そこでココシャネルは、1929年に兵士がつけていたバッグからインスピレーションを受け、チェーンストラップをバッグに取付けたショルダーバッグを考案します。手がふさがらず不自由なく快適に過ごせる女性用の初のショルダーバッグの誕生です。
その26年後、ココシャネルのマトラッセ柄のチェーンバッグの原型ともなるキルティングバッグの“2.55”が誕生します。これが、現在でも人気の高いスクウェア型ターンロックが特徴的なチェーンバッグ。“2.55”というのは1955年2月の発表年月にちなんだ名前です。
そのキルティングバッグ“2.55”を、カール・ラガーフェルドが1983年にアップデートしたものが、現在のクラシックハンドバッグといわれるマトラッセ柄チェーンバッグになります。偶然にもその誕生は、前回のコラムでお話しさせていただいたエルメスのバーキン誕生のちょうど1年前のことでした。
代表モデル ”クラシックハンドバッグ” A01112

マトラッセ柄のチェーンバッグの「マトラッセ」とはフランス語で「詰め物をする、綿入れをする」という意味。ぷっくらと膨らんでいるダイヤ柄のデザインが特徴的です。

素材のラインナップは基本的には柔らかなタッチのラムレザー、耐久性に優れた表面に凹凸のついたキャビアスキンがメジャー。そのほかにも、アイコニックなツイード生地やラグジュアリーなスパンコールを装飾したもの、デニム地、ヴィンテージライクな雰囲気の皮革使いなどもあり、近年は素材バリエーションもとても豊富です。

ストラップに関しては皮革のみを使用するよりも、チェーンと皮革のコンビ使いによってより耐久性を向上させるこだわりがあり、ココシャネルのシンプルで実用的、かつ洗練されたデザインがカール・ラガーフェルドにも継承されています。

余談にはなりますが、原型となるキルティングバッグ“2.55”にも、“クラシックハンドバッグ”にもバッグ内側のフラップ裏にジップ付の小さなポケットがありますが、これは当時ココシャネルがラブレターを忍ばせるために作られたディテールとも言われています。
このマトラッセ柄のチェーンバッグは“クラシックハンドバッグ”といわれ、1983年の発表から41年も時を経ていますが、現在もなお幅広い年齢層から絶大な支持を集めています。
最後に

ココシャネルの想い、シンプル、実用的、洗練されたデザインが世界の人々から評価され、ステイタスとなり、近年では非常に入手困難なモデルとなっております。
私が入社した当時の定価は40万ほどで購入できた“クラシックハンドバッグ”も現在では150万を超える定価にもなっており、中古市場でもこちらのモデルはヴィンテージ品から現行品まで非常に高額販売、高額買取が続いている現状です。
最後になりますが、シンプル、実用的、洗練されたデザインというココ・シャネルの想いは時を超えます。いいものをずっと長くをモットーにお買い物、お買い取りでお悩みの方は是非お気軽にご来店、ご指名心よりお待ち申し上げております。
最後までお読みいただきありがとうございました。