[Patagonia]ヴィンテージウェアのすすめ   

[Patagonia]ヴィンテージウェアのすすめ   

Buyer's VOICE

COLUMN

2024.09.19

こんにちは、RAGTAG心斎橋店のYOSHIOKAです。
近年、過熱している『ヴィンテージアイテム』ですが、なぜ人気を集めているのか分からない方も多いかと思います。今回は、私の思い入れがある[パタゴニア]のアイテムをピックアップして、ヴィンテージの魅力を紐解いていきます。[パタゴニア]のヴィンテージとしての価値も解説いたしますので、ぜひ最後までお付き合いください!

YOSHIOKA

Profile

YOSHIOKA

心斎橋店 / 店長

RAGTAG一筋20年。モードブランドからストリートブランドまで幅広いテイストが大好きです。自身のスタイリングはアメリカンカジュアルに落ち着きましたが、素材や縫製、生産背景にこだわった職人気質の高い世界中のクラシックブランドの魅力を改めて研究中です。

index

    [パタゴニア]との出会い

    パタゴニア ロゴ

    私が初めて[パタゴニア]を知ったのは今から30年以上も前の1990年代です。その当時は野外レイヴやフェス、そしてスノーボードなどのアウトドアレジャーが若者の間で流行り始めた頃。

     

    [パタゴニア]はデザイン性と機能性の高い唯一無二のブランドとして巷のファッションシーンのコアである[アベイシングエイプ]や[アンダーカバー]と同じく、高校生だった私の憧れブランドでした。

     

    特にナイロン系アウターのキング的存在、“アイスナインジャケット”(2000年〜2003年製造)は“GORE-TEX XCR”という当時最先端の高機能素材が使用されたプロスペックモデルで、定価も7万円越えと雲の上の存在であり、自分でも買える[パタゴニア]のアウターを必死に探したのを覚えています。

    自分好みの[パタゴニア]探求の旅

    インファーノジャケット

    当時は、今のようにスマホやパソコンで情報収集が簡単にできる環境ではなく、おしゃれな先輩から教えてもらった古着屋を朝から晩まで片っ端から回って[パタゴニア]の古着を探しました。

     

    高校から大学にかけて、まさに青春を費やした[パタゴニア]探求の旅の始まりです。その末にたどり着いたアウター、それが“INFURNO JACKET(インファーノジャケット)”です。

     

    90年代半ばから2007年まで毎年色目を追加して販売されていたため、市場に出回る個体数も多く、定価は3万円代と決して安くはないアウターでしたが、古着屋でもマイナーなモデルだったこともあり、頑張って探せばコンディションの良いものを1万円代前半で買うこともできました。

     

    そして20年以上の月日が経ち、気がつけば色違いで8枚もクローゼットに並んでいました……。それくらい最高のジャケットなんです。

    唯一無二のシルエットの理由

    インファーノジャケット

    “インファーノジャケット”の魅力。それはまず、「ボリューム感のある丸いシルエット」であるということ。

     

    基本的なデザインはボディと一体型の大きめのフードに、ハンドウォーム機能を兼ね備えた大きめのポケット、ウエストと裾にはシルエットを超絶できるナイロンコード、左胸にワンポイントのブランドロゴマーク。

     

    前述したパタゴニアの名作“アイスナインジャケット”とも通ずるオーセンティックなマウンテンパーカーに必須のディテールを兼ね備えています。“インファーノジャケット”ならではの丸みは、その素材とパターンに起因します。

    インファーノジャケット

    表面の素材はゴアテックスなどのハイスペック素材ではなく、綿のように柔らかいナイロンです。

     

    そして裏地には“レトロカーディガン”などにも使用される毛足の長めのフリース(シンチラ)がボディはウエストまでしっかりと、さらには袖の内側にも装備されています。

     

    表面のナイロンは柔らかく裏地にボリュームがあるため、体を入れると自然と独特の丸みと腕周りまでしっかりとボリューム感が出るんです。

     

     

    インファーノジャケット

    そして、袖の付け方にも[パタゴニア]ならではのこだわりがあります。どんなインナーでも腕周りが窮屈にならず可動域が広く作られたアームホール通常は肩から袖を縫い付けるセットインスリーブと言われる縫製ですが、パタゴニアのアウターは胸の上から肩全体を覆うように袖付けがされています。

     

    そうすることで肩部分に縫い合わせの無い、オリジナリティ高いラグランスリーブ仕立てとなり、身幅と腕周りに独特の丸みが生まれます。これがインファーノジャケットの唯一無二のシルエットの所以なんです。

    [パタゴニア]のヴィンテージ黄金期

    パッカブルアノラック

    [パタゴニア]は1973年にアメリカで創業した老舗アウトドアブランドです。ヴィンテージ市場において、1970〜1980年代のカウンターカルチャーの中で多くの若者から街着としても支持され始めたナイロン素材のアウターは、[ザノースフェイス]や[コロンビア]を筆頭に大量の古着が流通しています。

     

    しかし、[パタゴニア]のナイロン系アウターには、明らかに他ブランドと違っていた点があります。
    それが「発色の良いカラー展開」です。

     

     

    グリセード

    当時のアウトドアブランド(特にアメリカ)のアウターはカーキやフォレストグリーンのようなナチュラルカラーが圧倒的に多く支持され製造されていました。

     

    一方で[パタゴニア]は色鮮やかなブルーやオレンジ、イエロー、パープルなどの発色の良いアウターを次々と発表しました。特に1985年に誕生した“シンチラフリース”はあらゆるカラーに染色できる素材であったため、この後の1990年代は“シンチラフリース”のウェアがアウトドアウェアとしてではなく、おしゃれなファッションウェアとして爆発的に人気となりました。

     

    また同時期には水洗いできるパッカブルダウンタイプの高機能アウター“DASPARKA(ダスパーカー)”やナイロンとフリースのリバーシブルデザインの“GLISSADE(グリセード)”など、[パタゴニア]のヴィンテージ金字塔とも言える名作アウターが次々に誕生します。

     

    前述した“インファーノジャケット”もまさにこのパタゴニア黄金期、1990年代から2000年代前半に製造されたモデルだったわけです。

    [パタゴニア]のヴィンテージウェアの価値

    インファーノジャケット

    前述したように“インファーノジャケット”は[パタゴニア]のウェアの中でかなりマイナーでした。それ故にヴィンテージ市場でもとても買いやすかったのですが、残念ながら2024年現在では価格が急高騰してしまいました(安くても3万円前後)。

     

    もともと人気の高かったパイルフリースを使用した“レトロカーディガン”や“ダスパーカーは10万円以上(定価の3倍近く)で販売されることもあるほど。それでも私は[パタゴニア]のヴィンテージウェアにはその価値があると思っています。

     

    何故なら、[パタゴニア]のウェアは私自身の経験からも何年も着ることができるからです。そして、どれだけ古いモデルでも[パタゴニア]に持ち込めばオフィシャルで修理が可能なんです。

     

    保証書や品質タグに関わらず、ほぼ全てのウェアに対してリペアを引き受けてくれる体勢を会社として確立しているのは素晴らしいことだと思います。地球全体の自然保護やサステナブルな社会実現に対して、[パタゴニア]としてできる最善の取り組みを創業当初から一貫して続けている、ブランドの価値が全てのヴィンテージアイテムに宿っているんです。

    最後に

    集合写真

    [パタゴニア]はアウター以外にも、たくさんのこだわりから生まれた名作アイテムがあります。これから長く愛用できる、愛用したくなる本当の価値のある自分だけのヴィンテージウェア探し、今からでも遅くありませんよ。

     

    RAGTAGでも[パタゴニア]のヴィンテージウェアの取り扱いは多数ございます。オンラインストアの商品は毎日更新されますし、気になるアイテムも店舗に取り寄せも可能です。ご質問などあればお気軽にお問い合わせください。

     

    お買い取りも常に強化しているブランドなので、現行モデルからヴィンテージアイテムまで幅広くご相談ください。[パタゴニア]を愛する一人として微力ながらお役に立てれば幸いです。

     

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