
No.10 「1985年生まれの名品たち。」LOUIS VUITTONのエピライン
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イマに続く1985年の40のコト。
1985年に生まれて、現在もその輝きの失せない名品を、RAGTAGのバイヤーがご紹介。
今回は[LOUIS VUITTON]の “エピライン” について。
text : 銀座店 バイヤーYANAI
photo : TAWARA(magNese) / edit : Yukihisa Takei(HIGHVISION)

Profile
YANAI
銀座店 / バイヤー
好きなブランドはCHANELやHERMES、LOUIS VUITTON。歴史的背景や、ブランドの確固たるスピリッツを感じられること、時代とともに進化し続ける所に魅力を感じます。時代を超えて良いもの、価値あるものはしっかりお買い取り評価させていただきます。ハイブランドのお買い取りはお任せください。
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[ルイヴィトン]の “エピライン” とは?

逆三角形のユニークなフォルムが魅力的な “エピサンジャック”
世界的ブランドである [ルイヴィトン]の “エピライン” が誕生したのも1985年です。“モノグラム” や “ダミエライン” に並び、今もなお人気を誇るモデルになります。
“エピライン” は、定番ラインの中で最もブランド主張が少なく、上質なレザーを使用しているので高級感があり、シンプルで洗練された印象があります。
「エピ」はフランス語で「麦の穂」を意味するのですが、この表面の型押しされたデザインこそが、名前の由来にもなっている「麦の穂」です。麦の穂が風にたなびいたような型押しになったグレインカーフが使用されています。耐久性に優れ、シワや汚れが目立ちにくいため、長くご愛用できることも人気の理由。型崩れがしにくいからこそのフォルムの美しさも他のラインナップにない魅力です。また、発色の美しい “エピ” のカラーバリエーションは、発売当時のブランドイメージを覆す、フレッシュでセンセーショナルなデビューだったのではないでしょうか?
発売当初は、パキッと目の覚めるような発色の原色(赤、黄、緑、青)です。毎シーズン発売される新色は時代とトレンドを反映させたカラーバリエーションを見せ、トレンドに敏感なユーザーの心を躍らせてくれます。
現在までの[ルイヴィトン]の “エピライン”

:1934年に発売されたアールデコ調のデザインのモデルをルーツにもつ“エピアルマ”
発売からトレンドを表現し続け、[ルイヴィトン]を代表するラインナップになった “エピライン”。しかし、2000年代に入ると、そのクラシックな良さが華やかなコラボレーションなどの話題の影に隠れてしまうようになりました。更にスポットライトが当てられたのは28年後の2013年、ニコラ・ジェスキエールがウィメンズのディレクターに就任してからではないでしょうか?
ニコラは “エピライン” を積極的に採用し、プリントやデコレーションや可愛らしいマカロンカラーなどを採用し、今までのクラシカルなエピのイメージを払拭。今までにはない新しいクラシカルとポップの融合を卓越したクラフツマンシップで実現しました。
現在は、今まで使用していた厚みや重さのあるカーフスキンから、柔らかく軽いソフトエピを使用するようになりました。
この “エピ” を見るだけでも、その時代を生きる一人一人に寄り添い、お客様の声を反映させながら成長していく姿勢が素晴らしいと思います。また、新しいことに挑戦しながらも、真髄である伝統技術を継承する姿勢も長く愛される老舗ブランドの秘訣ではないでしょうか?