No.26 「1985年生まれの名品 エアジョーダン1に恋して」 スニーカーブロガー 岩崎藍さん
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イマに続く1985年の40のコト。
RAGTAGが創業した1985年、今もスニーカーファンを惹きつけ続ける名作が誕生しました。それは “エアジョーダン” シリーズの第一作であるナイキ “エアジョーダン1”。発売から40年経った現在も永久定番となっているこのモデルをコレクションする人は世界中に存在しますが、その中でも少し珍しい、“AJ1スニーカー女子” として知られるのが岩崎藍さんです。「あくまでも自分で履くため」に買い続けているという、岩崎さんの圧巻のシューズクローゼットと “AJ1愛” を取材しました。
photo : TAWARA(magNese) / edit : Yukihisa Takei(HIGHVISION)

Profile
岩崎藍
バスケットボール部で活動していたことから、スニーカーの魅力にハマり、自分で履くためのシューズとして、ナイキ、特に“エアジョーダン1”を中心に多数のスニーカーを所有。その存在に注目が集まり、テレビ番組やメディアで取材を受ける“スニーカー女子”として知られるように。現在所有するスニーカーは約270足。
- https://www.instagram.com/ai0806ai/
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シリーズ40作目を迎えた“エアジョーダン”

バスケットボールの “神様”、マイケル・ジョーダンの名を冠したこのスニーカーは、1985年に登場。その才能とカリスマ性をナイキから認められたNBAの新人プレイヤーのために生み出されたこのシューズは、所属していたシカゴ・ブルズのチームカラーを纏ったデザインで颯爽とコートに登場しました。しかし当時のNBAでは、「シューズのホワイトの割合は51%以上」という規定があったため、ナイキがその罰金を肩代わりする形で履き続けたという逸話はあまりに有名です。
今も語り継がれるマイケル・ジョーダンの規格外の才能、そしてまるで空中を飛ぶようにプレーし、まさにナイキの “エア” を体現した姿が見事にマッチしたことから、“エアジョーダン” は一躍人気を獲得。以降、次々と新しいモデルも発表され続け、1997年にはナイキから[ジョーダンブランド]として独立しています。2025年現在で “エアジョーダン40” までがリリースされており、そこから派生したバリエーションは数知れず存在しています。
40年経っても強い引力を持つオリジンモデル

今回取材させていただいた岩崎藍さんは、小学校4年生の頃からバスケットボールを始め、徐々にナイキのスニーカーの虜になっていったそうです。
「私がスニーカーに興味を持ち始めたのは、部活用にナイキのスニーカーを買った頃からです。最初は特に有名でもないモデルを買ったのですが、田臥勇太さん(日本人初のNBAプレイヤー)が履いていた “ズームフライト5” を復刻で買ったあたりからナイキのスニーカーにのめり込んで行きました」
大学1年生までバスケットボールに打ち込んでいた岩崎さんが “エアジョーダン” を手にしたのは、20歳の頃。“エアジョーダン4 トロ” のレッドを購入したことからさらに熱は高まり、ついにオリジンモデルである “エアジョーダン1” の魅力に気づいたそうです。
「うまく説明はできないのですが、とにかくフォルムに惹かれました。だからこのシューズを履く時は、紐をしっかりと締めて、フォルムが綺麗に出るように履いています。どのカラーリングで出てもかっこいいですが、私はやっぱりオリジンの “シカゴ” が好きなので、そのカラーが出るとつい買ってしまいます。人からは『どれも同じじゃん』と言われるけど(笑)、私からすれば全部違います」

現在ではナイキを中心に約270足のスニーカーを所有する岩崎さん。「私なんかよりもっと持っている人はたくさんいますよ」と謙遜しますが、そのうち約30足が “エアジョーダン1”、その大半が “シカゴ” カラーであることを見れば、岩崎さんの偏愛ぶりも伝わります。
今回岩崎さんに、マイコレクションの中のベスト3をお聞きしてみると、選ばれたのはやはり王道カラーのモデルたちでした。

「3位は2016年に出た “エアジョーダン1” のブレッド。ブラックとレッドの配色が特徴で、『スラムダンク』の桜木花道が2足目に買ったモデルです。2位は2017年に発売された[オフホワイト]コラボモデル。当時10足リリースされた “The Ten” の中の一足で、これまでにないデザインだったので凄く欲しくなって。1位は30周年の2015年に発売された復刻モデルのシカゴカラー。日本では買えなくて、海外のリセールで手に入れたんです」
特注シューズクローゼットは満席。それでも買い続けたい

岩崎さんは “エアジョーダン1” を中心に数多くのスニーカーを所有していますが、あくまでも自分で履くために、マイサイズで購入している点も、いわゆるコレクターやトレーダーとは一線を画します。2019年には “スニーカー女子” としてテレビ番組からも密着取材を受け、その姿が放送されると一気にインスタグラムのフォロワーも急増。現在はインスタグラムを中心にスニーカーブロガーとして活動しながら、デザインやバスケットボール関連のお仕事をしているご主人、そして小さなお子さん二人と暮らしながら、静かなスニーカーライフを楽しんでいます。
今回取材でお邪魔した閑静な住宅地のお宅を訪ねると、その玄関では壁一面のスニーカーコレクションが出迎えてくれました。ここは新築の際にご主人とも話し合って、「せっかくのコレクションをしまっておくよりも、見せられるようにした方がいい。だから他の部屋を削って設計をお願いした(笑)」という特注スペース。
現在、同じくスニーカー好きであるご主人のものと合わせてディスプレイされている大きなシューズ棚はほぼ満席。それでも岩崎さんは、「まだまだ飽きていないんですよ。時々『最近良いのが出ないな』と思う時期もあるんですけど、結局良いのが出れば買っちゃうと思うんです」と笑います。
岩崎さんが生まれる前にリリースされ、40年経った現在も多くの人に愛され続ける“エアジョーダン1”。このマスターピースモデルは、岩崎さんの家でこれからも歴史を刻み続けそうです。


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