No.37 「同い年。1985年生まれのブランド」DOLCE&GABBANA
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イマに続く1985年の40のコト。
RAGTAG創業と同じ1985年に誕生したブランドの魅力を、RAGTAGのバイヤーがご紹介。
今回はイタリアが生んだグローバルブランド[DOLCE&GABBANA]について。
text : 渋谷店 バイヤー HATTORI
photo : TAWARA(magNese) / edit : Yukihisa Takei(HIGHVISION)

Profile
HATTORI
渋谷店 / バイヤー
カジュアル、モードからビジネス、ラグジュアリーまで幅広いジャンルを担当しています。お客様が、「是非、また来たい!」「今日は来て楽しかった」と思っていただけるような対応を常に心がけております。バイヤー歴30年を数えます。どうぞ安心してご利用ください。
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“シチリアの強い女”

ドメニコ・ドルチェとステファノ・ガッバーナの2人の名前を冠したブランド、[DOLCE&GABBANA(ドルチェ&ガッバーナ)]は1985年にミラノのウィメンズコレクションでデビュー。以降、ニットウェアのライン、ランジェリーやビーチウェアのライン、メンズコレクション、セカンドラインの[D&G](2012年春夏で終了)、キッズウェア、ビューティーラインと拡大しながら、グローバルなファッションブランドとして成長してきました。2人の創業デザイナーは今もなお現役でデザイナーを務めており、独自の世界観で多くの人々を魅了し続けています。
ウィメンズコレクションから始まった[ドルチェ&ガッバーナ]のデザインは、「シチリアの強い女」がインスピレーション源。アニマル柄や花柄、ビジューや刺繍などを用いた大胆でデコラティブなモチーフを通して、服やバッグ、靴などのあらゆるアイテムに力強く、セクシーな女性像を描きます。
シチリアでは宗教的な背景による黒のレースやショール、暑い気候に適応するためのリネンやコットン、母から娘へ受け継がれるレース編みなど、農民たちの文化も根付いていました。[ドルチェ&ガッバーナ]では、その伝統的な農民の文化や宗教的モチーフなども組み入れながら、唯一無二のコレクションを生み出していきます。
メンズテーラリングの美しさにも注目

[ドルチェ&ガッバーナ]を語る上で外せない要素は、テーラリング技術の高さです。
ドメニコ・ドルチェはシチリアの仕立て職人の家系に生まれており、幼少期からテーラリングを学んでいました。特にシチリアの職人の技術は、巧みなカッティングによって、身体に自然にフィットするような着心地の良さを生み出すのが特徴。その伝統的な技術に、現代のモードを融合させたのが[ドルチェ&ガッバーナ]のテーラリングです。
[ドルチェ&ガッバーナ]のスーツの魅力は、全体的に縦のラインを強調した、すっきりとしたシルエットの美しさ。身体のラインを美しく見せる構築的な作り、落ち感まで計算された生地選び、卓越した仕立てにより、男性的な魅力をエレガントに演出します。
ウィメンズコレクション同様に、シチリアの文化や神話などからインスパイヤされたプリントや、斬新な色使い、大人の遊び心が感じられるデザインをテーラリングに組み込み、世界中の男性を魅了し続けています。
[ドルチェ&ガッバーナ]のこれから

[ドルチェ&ガッバーナ]の大きな転換点ともいえるのが、2022年に出した「動物の毛皮(リアルファー)の使用廃止」です。毎年多数のコレクションを発表するとともに、トレンドを刷新するファッション業界では、大量生産や廃棄が問題となっており、動物愛護の観点からもイタリア国内では毛皮目的の動物の繁殖・飼育が禁止となりました。競合のブランドたちがファーフリーを打ち出す中、それに続く形で[ドルチェ&ガッバーナ]でも動物の毛皮の使用を廃止することを発表しました。
他のブランドと異なるのは、これまでブランドを支えてきた、毛皮職人の技術を守ることにも注力している点です。これまでリアルファーを扱ってきた職人たちの裁断や接合の技術を、フェイクファーに転換。リサイクルから生まれた素材や再利用可能な素材をもとにしたエコファー(フェイクファー)を開発し、熟練した職人たちの技術を維持しながら、今の時代に合わせた服づくりを行っています。
近年はシチリアの地方都市で発表するアルタ・モーダ(高級仕立服)コレクションの発表、イタリアの文化遺産やクラフトマンシップの発信など、イタリアに生まれ育ち、イタリアの文化や技術を軸にブランドを発展させてきた[ドルチェ&ガッバーナ]らしい活動も活発に行っています。
その一方では、デジタル領域への投資や高級NFTコレクションに参加するなど、ブランドとして新たな領域にも踏み出しています。ブランド設立から40年を経ても、クラフツマンシップやローカルマインドを忘れずにフレッシュな存在であり続ける[ドルチェ&ガッバーナ]。これからも目を離せないブランドであり続けそうです。



