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[JIL SANDER]ラフ・シモンズが描いた新たなミニマリズム
Buyer's VOICE
みなさんこんにちは、銀座店バイヤー北山です。
今回は[ジルサンダー]の中でも人気が高い「ラフ・シモンズ期」についてのお話です。

Profile
KITAYAMA
銀座店 / バイヤー
ブランドやデザインの持つバックボーンにとても興味があり、ジャンルを問わずミックスしたスタイリングを楽しんでいます。お客様ともブランドやデザイン、そしてお客様自身のバックボーンについてお話しできることを楽しみにしています。
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[ジルサンダー]の歴代デザイナーたち

前回のコラムを読んでいただいた方はミニマルの美学についての[ジルサンダー]のこだわりや思いについて楽しんでいただけたと思います。
▽前回の記事はこちら
ジル・サンダーのミニマルの美学
[ジルサンダー]はジル・サンダー本人以外にも4人のデザイナーが歴任しておりそれぞれにミニマルの表現の仕方や雰囲気も異なり魅力があります。
2001年秋冬~2003年秋冬、ミラン・ヴィクミロビッチ。
2006年秋冬~2012年秋冬、ラフ・シモンズ。
2015年春夏~2017年秋冬、ロドルフォ・パリアルンガ。
2018年春夏~現在、メイヤー夫妻。
(1968~2000秋冬、2004春夏~2005春夏、2013春夏~2014春夏は、ジル・サンダー)。

今回は、その中で2006年から2012年までを手掛けたラフ・シモンズ時代のアイテムについて紹介したいと思います。
アートとファッションの融合

こちらは2009年春夏シーズンのカラーブロックカーディガンです。[ジルサンダー]らしいクリーンでミニマルな比翼仕様のカーディガンにラフ・シモンズが得意とするアート要素が加わったアイテムです。

ピーター・サヴィル(イギリスを拠点に活動するグラフィックデザイナー)のカラーチャートと2003年秋冬シーズンの名作バウハウス柄のニットを彷彿とさせるカラーブロックのデザインが魅力のカーディガンです。
アートをファッションに取り入れる上で欠かせないデザイナーのひとり。ラフ・シモンズ。
自身のコレクションでも、度々ピーター・サヴィルのグラフィックを用いていることや、バウハウス(イギリスのパンクロックバンド)など服とは直接関係のないように見える音楽やアートを着想源としています。

ラフ・シモンズが自身のブランドでサンプリングしたりソースとしていたりするカルチャーを真逆のような[ジルサンダー]にも一部落とし込んだアイテム。
[ジルサンダー]のミニマルと[ラフシモンズ]のアート要素が兼ね備えられ、洋服から音を感じ、アンダーグラウンドな雰囲気が感じられます。
退廃的なムードが漂うアイテム

2012年春夏シーズンのコレクションは、パイソン柄のアイテムを使った退廃的なムードが印象的でした。
こちらは、そのシーズンのパイソンプリントTシャツ。

インパクトのあるプリントが目を惹くアイテムです。およそミニマルと結びつかないパイソン柄ですが、ボックスシルエット、鮮やかなカラー、プリントすることに立体的な柄をフラットに魅せることで、ミニマルかつ近未来的な雰囲気を作り出したラフ・シモンズらしさが詰まった人気アイテムです。[ジルサンダー]のアイテムでここまで、柄物が特徴のアイテムは少ないので、今でも注目を集めています。
ファッションに落とし込むパンクスピリット

ラフ・シモンズ期の最大の魅力はファッションの固定概念に疑問を投げかけるパンクな姿勢が感じられることです。
こちらは、ラフ・シモンズ就任初コレクションの2006年秋冬シーズンのスウエットプルオーバーです。[ジルサンダー]らしいミニマルなスウエットと思いきや、よく見ると襟元のリブが歪んだデザインになっています。

完成されたユニフォームデザインをあえて裁断したり、シルエットを極端に大きく、または小さくそして崩したりなど、ラフ・シモンズ自身のコレクションにみられるデザインです。
最後に

いかがでしょうか。
デザイナーが異なると新たなブランドの魅力が見えてくるので、みなさんも新たな視点でブランドを楽しんでみてください。
[ジルサンダー]の定番バッグやブランドとのコラボレーションアイテムなど、お買い取り強化していますので、ぜひ一度お持ちください。