[Maison Margiela]とタビブーツ。

[Maison Margiela]とタビブーツ。

Buyer's VOICE

COLUMN

2023.09.08

FUKUMOTO

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FUKUMOTO

心斎橋店 / バイヤー

ビビットな色物やポップでな少しクセのあるアイテムをコーディネートに取り入れるのが好きな3児のママです。 ママになっても私らしいおしゃれをあきらめたくない!という気持ちで、デザイナーズブランドだけでなくセレクトショップのオリジナルなど手ごろなアイテムをミックスした、トレンド感のあるスタイリングを日々模索しています。

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    [メゾン マルジェラについて]

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    〈通称“カレンダータグ” 番号によってアイテムのカテゴリーを示している〉

     

    フランス、パリを拠点とする[メゾン マルジェラ]の歴史は長く、設立されたのは1988年。(余談ですが私と同じ年齢なのでシンパシーを感じる部分があるのかも?)

     

    デザイナーである、マルタン・マルジェラとビジネスパートナーであるジェニー・メイレンスの2人によって設立されました。

     

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    [メゾン マルタン マルジェラ]としてデビューから間もなく、衣類を裏返して縫い目の構造を見せるような「脱構築」デザインや、古着のリメイクなど様々な加工を駆使した、挑戦的でアバンギャルドなデザインが当時の常識を覆し、世間の注目を集めました。2014年にジョン・ガリアーノがデザイナーに就任しブランド名を[メゾン マルジェラ]とした現在も、その想いは継承されているように感じます。

    真っ白なタグ

    〈“女性のためのコレクションライン”を示す白タグ〉

    〈“女性のためのコレクションライン”を示す白タグ〉

     

    [メゾン マルジェラ]と聞くと、あの真っ白なタグを思い浮かべるという方も多いのではないでしょうか。

     

    これはジェニーの発案で「ネームが入ったタグがブティックに並ぶなか、真っ白なタグがあったら気にならない?」という面白い発想だったのですが、当初マルジェラは大反対。結局四方に白いステッチを入れることで合意したそう。

     

    しかしこのタグにはもう一つ問題が。

    商品化に向けて、真っ白(空白)のタグの権利を保護することが出来ないため、当時の顧問弁護士からは大反対されてしまいました。そこでジェニーは弁護士に嘘をつき、タグの裏にブランド名をプリントする約束をして、あの有名な真っ白なタグが誕生しました。

    タグ誕生の話だけでも愛着が持ててしまうお茶目なストーリーですよね。

     

    そんな障壁を乗り越えて世に出た真っ白なタグですが、これが大当たり。現在では真っ白のタグに四角のステッチといえば[メゾン マルジェラ]という代名詞となっています。

     

    そんな[メゾン マルタン マルジェラ]の1stコレクションからモデルたちの足元を彩り続けたのが今回お話しする“タビブーツ”です。

    タビブーツの誕生

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    当時のパリといえば、セクシーやグラマラスといった女性の妖艶な魅力を表現したデザインがトレンド。そんな中、マルジェラの提案するスタイルはトレンドと対抗したようなマニッシュでオーバーシルエット、そしてアバンギャルド。

     

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    日本人である私たちには見慣れた足袋のデザインですが、現地パリでは一部のファッショニスタからの称賛は得ながらも、「豚の蹄みたい!」と馬鹿にされるような声もあり、賛否両論だったそうです。

     

    「反モード」を掲げるこのブランドらしい逸話のひとつです。

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    〈日本の地下足袋に用いられる“こはぜ”を採用〉

     

    “タビブーツ”はその名の通り日本の地下足袋に着想を得たアイテム。

    マルジェラは親日家としても有名で、特に[COMME des GARCONS]の川久保玲の思想や創作から大きな影響を受けており、なんと[メゾン マルタン マルジェラ]の初の旗艦店は、ここ日本の恵比寿というから驚きですよね。

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    〈“タビブーツ”にペンキ加工を施したモデル〉

     

    “タビブーツ”はその後[メゾン マルジェラ]のコレクションの足元を彩り続けました。これはマルジェラ自身のこだわりももちろんありましたが、実は当時の資金難も大きく関係しています。資金繰りがうまくいかず、スタッフもほぼ無給で制作に携わっていたので、コレクションには過去の作品をリメイクしたアイテムがたくさんありました。

     

    漆黒の“タビブーツ”も白ペンキで上からペイントされたり、上からセメントを塗られたりと、シーズンにより様々にリデザインされ、ランウェイを支えたのです。

     

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    〈ジョン・ガリアーノ就任後にリリースされた“タビローファー”〉

     

    当初はウィメンズのみの展開だった“タビブーツ”ですが、2014年のジョン・ガリアーノのデザイナー就任以降、メンズモデルやローファー、バブーシュなど多くのモデルがリリースされています。

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    〈[メゾン マルジェラ]の新たなアイコンの一つとなった“5AC”〉

     

    ジョン・ガリアーノはそれまでの[メゾン マルタン マルジェラ]のアバンギャルドなクリエーションをより世の中の大きな流れに沿った身近な存在にすることに成功します。大きな功績は“グラムスラム”や“5AC”といったバッグのコレクションを初めとする、アイコニックなモチーフのアイテムが多くリリースされたこと。どれも可愛らしいですよね。

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    私の“タビブーツ”はブラックのベーシックなものですが、カーフではなくラムレザーを使用しているのでくたっとした独特の質感で、それこそ本当に地下足袋のように足にフィットするシルエットなのが大好きなポイントの一つです。

     

    もう一緒にいる時間も10年を超え、自信がほしい時や、ここぞ!という時は必ず履く私の相棒です。結婚式の時もドレスの下はこの“タビブーツ”でした。(ドレスのスタイリングをとても褒められて嬉しかった、懐かしい思い出です…)

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    そんなアバンギャルドな[メゾン マルジェラ]。RAGTAGでも定番物から変わり種までお買い取りも大変強化しております。

    使用感があるけどどうかな…?そんな不安もぜひ私たちにご相談ください!

    ぜひみなさまの思い出も聞かせていただけると嬉しいです。

     

     

     

     

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