[BOTTEGA VENETA]とダニエル・リーが生み出したイットアイテム
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HIBINO
銀座店 / バイヤー
ラグジュアリーブランドを中心に幅広くお買い取りをさせていただいています。年代が前の物や使われた物でも高くお買い取りできるのがラグジュアリーブランドの強みです。 大切なお品物を次につなげる橋渡しとして色々なお話をお伺いしたいと思っています。お悩みのお品物があればぜひ一度ご相談ください。
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[ボッテガ・ヴェネタ]の始まり
1966年にイタリア・ヴェネト地方で創業した[ボッテガヴェネタ]。100年以上続くラグジュアリーブランドが多い中、意外にもまだ創業57年のブランドです。
熟練の腕を持つ職人を集めて手作業で作り上げる小さな工房を開き、2001年にグッチグループ傘下になったことで、ラグジュアリーブランドの仲間に入ります。
その後17年間に渡って、[エルメス]や[ソニア・リキエル]で経験を積んだトーマス・マイヤーがディレクターを務めます。
イタリアの小さな工房から始まったブランドは、瞬く間に世界的なビッグメゾンへと成長を遂げました。
そして2018年、フィービー・ファイロ率いる[セリーヌ]などでキャリアを積んできたダニエル・リーが、トーマス・マイヤーの跡を継ぐ形でクリエイティブディレクターに就任します。
革新をもたらしたダニエル・リー
左“パドルブーツ"、右“リド ミュール”
ダニエル・リーが[ボッテガヴェネタ]に在籍したのは、2018年から2021年までの3年間という短い期間でありながら、[ボッテガヴェネタ]を「NEW BOTTEGA」にしトレンドブランドにまで押し上げました。
ブランドの伝統であるイントレチャートをマキシサイズにアップデートし、90年代後半から00年代に流行したスクエアトゥのシューズがかっこいいとリバイバルさせたのです。
餃子のようなフォルムでふわふわとした“ポーチ”や、贅沢にイントレチャートを使用した“カセットバッグ”は誰もが欲しがるアイテムになりました。そんなダニエル・リーが生み出した[ボッテガヴェネタ]のヒットアイテムの中から、特に印象的なアイテムをいくつか紹介します。
“JODI(ジョディ)”
“ミニジョディ”
女優のジョディ・フォスターがマスコミから[ボッテガヴェネタ]のバッグで身を隠したことがインスピレーションになったモデル。
シグネチャーのイントレチャートで作られ、ノットのディテールがポイントです。
5サイズ展開、カラーバリエーションも豊富でミニサイズはアクセサリー替わりにもなります。
“THE POUCH(ザ・ポーチ)”
"ザ ポーチ"
ダニエル期のボッテガヴェネタを象徴するモデルです。
2019年に登場したポーチはダニエル・リーらしいミニマルなデザインのモデル。
くしゃっと脇に抱えて持つのがリラックス感があり、コーディネートに程よい抜け感を与えてくれます。最高級のレザーで縫い目がなく、バッグ全体を包み込むデザインはボッテガヴェネタだからできる技です。がま口のようにパカっと開き使いやすく機能面も優れています
“CASSETTE(カセット)”
“カセット ベルトバッグ”
ブランドのアイコンでクラシックな印象のあるイントレチャート。マキシサイズにしカジュアルなデザインにすることで、一気にスタイリッシュなアイテムに昇華させました。発表後、「ポーチ」と共に人気が出てアイコンバッグに。
その後、パッドを入れクッションのように丸みを持たせた「パデッドカセット」を発表しました。パデットは高周波熱溶着のハイテク技術と手作業の組み合わせで作られています。
今も様々なカセットが発売され進化が止まりません。
ボッテガグリーン
パンデミックの真っ只中にボッテガグリーンと呼ばれるグラスグリーンのビビットカラーを使ったアイテムを発表し、インフルエンサーが挙って身に付けたことから2021年のホットカラーになりました。
現在はショッパーにも使われ、ブランドを象徴する色になっています。
最後に
数々の名作を生みだしたダニエル・リーですが、現在は[バーバリー]にてデザイン指揮を執っています。
また[ボッテガヴェネタ]の新クリエイティブディレクターにはダニエル・リーのクリエイションを、デザインディレクターとして支えていたマチュー・ブレイジーが就任。2020年代のファッションシーンの大きなトレンドを作った両者の動向から、目が離せませんね。