［オールデン］は1884年、チャールズ・H・オールデンがアメリカ、マサチューセッツ州ミドルボロウにおいて、カスタムシューメーカーとしてスタートした、アメリカを代表する老舗シューメーカーで、アメリカントラディショナルスタイルをリードしてきた最高峰ブランドです。

今でこそアメリカ既成靴の最高峰ブランドとして知られていますが、初期の製品はカスタムメイドのブーツやハンディキャッパー用の受注生産による紳士靴でした。

トラディショナルなグッドイヤーウェルテッド靴の生産に加え、足に問題を抱えた人も快適に履くことのできる医療用矯正靴の分野を開拓したのが始まりです。

オールデンの靴を語る上で欠かせないのが快適な履き心地を実現させるラスト「木型」です。

代表的なものには、1963年に誕生したＯ脚やＸ脚の矯正を目的とした医療用の靴という側面ももつ“モディファイドラスト”や、最も古い歴史を持ち、最も多くの靴に採用されている“バリーラスト”などが挙げられ、いずれも日本人の足の特徴に合ったラストとして人気があります。

ラストだけ見ても10を超えるモデルがあり、幅広から細身まで多くの足型に対応する事が出来ます。

この「選べる」という利点は、他のブランドに比べ、ユーザーの心を捉え、多くのファンを獲得し続けている所以とも言えるのではないでしょうか。

矯正靴に由来するフットバランスカテゴリーに属する”モディファイドラスト”。

土踏まず部分が大きく絞られているのに対して指先には多めにゆとりを持たせ、足の自然な形成を邪魔せずにアーチ部分で高いフィット感を生み出しています。

オールデンを代表する名木型です。 独特の曲線が生み出すエレガントなフォルムも”モディファイドラスト”の魅力です。

日本で展開されている主要なラストの中で、最も癖がなくオーソドックスな“バリーラスト”。

土踏まずの絞りは弱めでどっしりしていて、安定感のある履き心地。程良い丸みのあるラウンドトゥでヴァンプは少し長め、ヒールカップは浅めに設定されています。

通常、ダブルレザーソールやリバースウェルトと組み合わされる事が多く、ドレスシューズの上品さに無骨さが加わった、カジュアルにも履き易いボリュームのある木型です。

またオールデンの魅力は使用する素材の素晴らしさにもあります。なかでもコードバンシューズの存在が際立ちます。

コードバンとは馬のおしりの革を使った素材です。普通のレザーとは、まず見た目がかなり違います。

内側から濃い光を放つような透明感のある輝きが特徴です。馬一頭からとれるのはごくわずかで値段も高い分、希少価値も高く、革のダイヤモンドとも称されるほどです。履けば履くほどその輝きの深みも増していき、長い年月の経年変化を楽しめるのもコードバンならではの魅力です。

見た目の変化ももちろんですが、履き心地も変わります。革馴染みが案外早く、馴染めばスニーカーのような快適な履き心地さえ感じられます。

貴重なレザーの代名詞とも言われるコードバンですが、オールデンが使用する素材は、米国のホーウィン社から供給されています。

現存するコードバンを製造するタンナーの中でも、オールデンが認める高いクオリティのコードバンを作り出すのはホーウィン1社のみです。

製造に約5か月もの期間を要するホーウィン社のコードバンを使用し、履きこむ程に表情を変えながら履く人の足に合わせて形状を変化させる、見た目の美しさと履き心地を両立させてくれる秀逸な素材です。

いかがでしたか？

今回は［オールデン］のラストとコードバンについてご紹介させていただきました。

次回は数ある［オールデン］の名作の中から、押さえておきたい代表的なモデルをご紹介します。

また、RAGTAGでは［オールデン］を始め、ドレスシューズも大変お買い取りを強化しております。

お買い替えを検討の際には、ぜひ一度ご相談ください。