これまでRAGTAGを利用したことがなかったファッションピープルが、
はじめてのお買い取り体験をする様子をお伝えするこの企画。
今回はメンズファッションを中心にファッションジャーナリストとして活躍中の
増田海治郎さんの登場です。
ファッションジャーナリストとして国内外のメンズコレクションに必ず足を運び、メディアでの執筆を通じて発信を続けている増田海治郎さんは、メゾンからストリートまでの最新ファッションからアメカジやヴィンテージまでも幅広く見通す文化人。自らファッションフリークとして「シーズンに30〜50アイテムは購入する」という増田さんが今回お持ち込みいただいたのは、マニアックな魅力のある品々。rt銀座店にお越しいただき、バイヤーのKITAYAMAが査定を担当しました。
今回のお客様
増田 海治郎さん
ファッションジャーナリスト
1972年生まれ。メンズファッションを中心に、ヴィンテージから最新ファッションまで見通し、雑誌やウェブメディアなどで執筆中。著書に『渋カジが、わたしを作った』(講談社)がある。
今回ご対応したバイヤー
KITAYAMA
rt 銀座店 バイヤー
2002年入社。バイヤー歴15年のベテランスタッフ。6年前からrt銀座店において広範な知識をもとにバイイング中。
今回お持込いただいたアイテム
[Needles]のパンツとキャスケット(2019年春夏)
[JIEDA]のT シャツ(2019年春夏)
[ARTURO]のレザージャケット(1990年代頃)
[Hender Scheme]のレザートートバッグ(2019年秋冬)
昔ピンポイントで欲しいものがあってお買い物はさせてもらったことはあるのですが、こうして買い取りで伺ったのは実は初めてですね。RAGTAGさんではないところですけど、以前あまりに査定が低かったお店があって、それからはお店に売りに行かなくなってしまいました。そのかわりヤフオク!やメルカリ、e-bayは割と頻繁に使いますね。
KITAYAMA:そちらに慣れていらっしゃる方はどうしてもそうなりますね。
増田さん:本当は持ち込みで納得できる金額になればもっと楽なんですけど。僕の持っているのは結構マニアックなものが多いので、なかなかその価値観で買い取ってくれるところが少ないんですよ。
KITAYAMA:失礼ですが、ご自宅にはどれくらいの服をお持ちなんですか?
増田さん:いやあ、もう数は全然分かりません(笑)。シーズン毎の展示会の個人オーダーに加えて、大量の古着を買いますし、僕はコレクター気質であまり売りに出さないので……。
KITAYAMA:それはすごいですね!
増田さん:今回持ち込んだものも、あまり売るつもりはないけど、幾らくらいになるのかが知りたくて、というものばかりです。ちなみにRAGTAGのバイヤーさんは、査定の知識や資料のアーカイブはどうされているんですか?
KITAYAMA:もちろん社内にデータベースはありますし、インターネットの相場も見るのですが、それよりもバイヤー個々人の知識が主体と言いますか。
増田さん:僕の場合、展示会の個人オーダー品が多いんです。ただ、個性が強いものをオーダーするので、結局あまり着ないものも多くて。たとえばネペンテス系ブランドの紫色は象徴的すぎると思って、これまで手を出してこなかったんです。で、今回初めて[ニードルズ]の紫を購入したけど、やっぱりいまいち着こなせなくて。このハンチング帽なんか、僕がかぶると吉田類さんになっちゃう(笑)。
KITAYAMA:(笑)。いえ、すごくお似合いになります!
増田さん:これはどれくらいの価格になったんですか?
KITAYAMA:ではさっそく(PCの画面を見せて)、買取価格はこちらになります。
増田さん:お! 思ったより凄いですね。[ニードルズ]はやっぱり値段がつきますね。メルカリに出せばもう少しつきそうな気もしますけど、手間を考えたら納得できる価格です。
KITAYAMA:ありがとうございます。ブランドとしてはもちろん、ブランドの象徴的な柄なので特にバタフライ柄は人気があります
増田さん:[アルチュロ]の(レザージャケット)もここまで(4万)高くつけてもらえるんですね。当時の定価はきっと30万くらいしたと思うんですけど、知る人ぞ知るブランドなので。
KITAYAMA:確かにお求めになる方は少ないと思うんですけど、やっぱりお持ちの方の想いと、品物自体は非常に凝ったものなので、そこを含めて査定させていただきました。似たような商品ばかりではない店頭ラインナップにすることで、買い物にお越しいただく方にも楽しんでいただきたいバイヤーとしての想いもありまして。
増田さん:なるほど。確かにこれがお店にディスプレイされていたら、このブランドを知らなくても、物としてのオーラがありますからね。
KITAYAMA:おっしゃる通りです。私もこのブランドの存在は知っていましたが、実際に物を拝見したのは初めてでした。
増田さん:手が込んでいる服ですよね。本当に凄いなと思います。オークションで探して見つけたんですけど、ビーズもひとつも飛んでいないし、掘り出し物を見つけたと思いましたね。
KITAYAMA:それにしても増田さんのお持ちの物は本当に幅が広いですね。
増田さん:そこが自分が仕事する上で一番の“売り”だと思っています。20代の頃はスタイルという言葉に囚われていましたが、今は興味を持ったらジャンルを問わず突き進むようにしてます(笑)。
KITAYAMA:その分、いろんな情報を見るのは大変なのではないですか?
増田さん:好きでやっていることなので、大変という感覚はないですね。少し前までは80年代DCブランドのものとか「死んでも着るか」と思っていましたけど(笑)、今になって[パーソンズ]とか[フィッチェ]とか[アーストンヴォラージュ]の古着を掘りまくっていますから。改めて見ると日本が一番元気だった時代の熱が感じられて素晴らしいんですよ。最近はミレニアルズとも呼ばれる世代がこうしたブランドに注目し始めていて、相場は上昇しつつありますね。
・[Needles]のパンツ(2019年春夏) ¥10,000
・[Needles]のキャスケット(2019年春夏) ¥2,000
・[JIEDA]のTシャツ(2019年春夏) ¥3,000
・[ARTURO]のレザージャケット(1990年代頃) ¥40,000
・[Hender Scheme]のレザートートバッグ(2019年秋冬) ¥13,000
※ 査定価格は時期や状態によって常に変動しますので、参考価格としてご覧ください。
やはりずっとファッションを見てこられた方ならではの視点だと思います。ここまで洋服の知識のある方は最近少なくなってきているので、今日は本当に楽しかったです。
僕がなぜこれだけ古着が好きかというと、着るだけでその時代を体感できるし、服を捨てるのがしのびないから。どんな服でもどこかに絶対欲しい人がいると思っているので、できる限り次の人に引き継いでいきたいし、引き継ぎたい。RAGTAGやメルカリとかもそうだと思うんですけど、なかなか世界でもここまで二次流通がしっかりしている国はないと思います。サステイナブルという観点から見ても素晴らしいことだと思うので、どんどん発展していってほしいですね。
なかなかこういうお品をお持ち込みいただける機会が少ないので、ちょっと興奮してしまいました(笑)。増田さんは当店をご利用いただいたことはございますか?