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BUYER'S VOICE RAGTAGバイヤーのファッション偏愛をお届け!

RAGTAGスタッフもお客さまと同じくらいファッションが大好き。
このコーナーでは、豊富なファッション知識を持つバイヤーたちが、
自ら偏愛するブランドやアイテムをご紹介します。

私の好きなブランド、あのアイテム

Mame Kurogouchi の
ワンピース

RAGTAG 下北沢店 店長 泉 波奈

■作家性のある服が好き

学生時代から雑誌の『装苑』などを読んでいて、スタイリストの大森伃佑子(ようこ)さんの提案する世界観に憧れていました。その頃から[mina perhonen(ミナ ペルホネン)]や[SOWA(ソーワ)]といった、デザイナーさんの想いが素材やディティールにも現れているような作家性のある服が好きになりました。トレンドというよりもデザイナーさんがどういう方で、どういう想いで作っているか、そこに共感できたものを着たいと思うようになったんです。

2015年に初めて購入した[Mame Kurogouchi]のワンピース。「[マメ]らしいくるみボタンがあしらわれ、背中から腰にかけてのシルエットの美しさにうっとりします」

3年ほど前、親類の結婚式に着ていく服を探していて出会ったのがこの[マメ]の紺色のワンピースです。ワンピースは[マメ]の代表アイテムの一つ。内なる魅力を引き出して女性らしく見せてくれる、本当に魔法のような洋服です。もともと、デザイナーの黒河内さんご自身が小柄で華奢なことから、そういった女性に[マメ]の洋服を身に付けることで自信を持ってほしいという想いで、細部までこだわりぬいて作られています。えばネックの、やや曲線がかった絶妙なカットラインと空き具合。露出を抑えながらも適度な肌見せで、さりげない色気を演出してくれます。次に紹介するワンピースもそうですが、袖口には深めのスリットが入っていて、華奢な手首が見えることでぐっと女性らしくなります。袖部分はメッシュで肌が透ける仕様になっていて、これもまたさりげない肌見せが叶うディティール。[マメ]はこういった透け感を表現するレースやニットにもこだわりが強く、レースの中でも高級といわれる“リバーレース”がよく使われています。糸を手作業で撚って柄を作り上げていくためとても時間がかかりますが、繊細で上品な印象を持つ柔らかなレースに仕上がるんです。

■生地の生産にも強い こだわりのあるブランド

2017年秋冬のワンピース。「袖口には深めのスリットが施され、着物を連想させる特徴的なディティールもツボです」

このワンピースは、作家の朝吹真理子さんの『TIMELESS』という小説からインスパイアされた黒河内さんが、実際に北海道にまで足を運んで見た作品中に登場する景色、“北海道の大地と夕焼けの紫とオレンジ”を表現しています。この繊細な色使いに一目惚れしました。ちなみに[マメ]の服は作る生地によって産地や工場を変えていて、この生地は愛知県の一宮市の工場で作られています。単に国内生産や海外生産にこだわるのではなく、黒河内さん自身が各地の工場を1年中飛び回って実際に目で見て、作りたいものにとって最高の工場を選んでいるそうです。そういうことが日本の優れた生産者や技術を守ることにつながっているところにも共感します。

■“着る芸術品”のような服

福井県で作っているトリアセテートの生地を使ったワンピースは、襟の部分を岐阜県の工場で作っているそうです。「襟部分は立体的なニットの鍵編みのディティール、背中にはくるみボタンが配されていて、細部まで抜かりのないデザインです」

デザイナーの黒河内さんは、自身が作る服を「現代社会における戦闘服」と表現されていますが、服によって勇気付けられたり、心の拠り所になったり、気持ちが強くなることを私もよく実感します。私にとって[マメ]のワンピースは、“着る芸術品”。袖を通すと、自分に自信を持てる、唯一無二の服なんです。

泉 波奈

ブランド服から中古、アンティーク、ヴィンテージ好きになり、 2013年に入社。2年目からバイヤーに抜擢され、2017年に下北沢店の店長兼バイヤーに。いいものを大切に、長く着たい派。

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