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BUYER'S VOICE RAGTAGバイヤーのファッション偏愛をお届け!

RAGTAGスタッフもお客さまと同じくらいファッションが大好き。
このコーナーでは、豊富なファッション知識を持つバイヤーたちが、
自ら偏愛するブランドやアイテムをご紹介します。

私の好きなブランド、あのアイテム

A BATHING APE
“LEATHER CLASSIC DOWN JACKET”
バイヤーのファッション偏愛

事業推進チーム NAKAJIMA

■裏原宿からスタート

ラグタグ NAKAJIMA インタビューされている様子

[A BATHING APE(以下、エイプ)]は、今では[LOUIS VUITTON(ルイヴィトン)]とのコラボで世界を股にかけて活躍するNIGO®が最初に手掛けたブランドです。 最初は裏原宿の1店舗のショップからスタートし、友達のファッション関係者やミュージシャンなどから徐々に認知が広がり、今やファッションが好きな人なら誰でも知るブランドに拡大しました。

■記憶に残る名作

エイプ キムタクダウン 全体

約30年間の歴史の中には名作もたくさん存在するのですが、元々90年代後半には爆発的な人気のあった[エイプ]を、さらに加速させ人気を不動のものにしたのが「LEATHER CLASSIC DOWN JACKET」です。
2001年の月9ドラマ『HERO』で木村拓哉氏が演じた久利生 公平が着ていて話題になった、茶色のシープスキンダウンジャケットを覚えている人も多いと思います。あまりにもドラマの影響が強すぎて、通称では「キムタクダウン」などと呼ばれていますが、このアイテムも登場から20年を迎えました。(ドラマの放送は2001年1月~3月期なので、実際に作ったシーズンは2000年AWになります。)

エイプ キムタクダウン スナップボタン

元々、このダウンはブラックとブラウンの2色展開で、ブラックの方が当時圧倒的人気だったそうですが、その時にNIGO®さんが持っていた[PRADA(プラダ)]のレザーのPコートが同じようなブラウンで、どうしても同じ色で作りたかったそうです。レザーをブラウンに染めるのに必要な最低ロットの10着くらいしか作らなかったそうなので、当時は非常に希少なアイテムでした。

エイプ キムタクダウン ポケット

やはり普通に考えてもブラウンのカラーは上級者向けで、ブラックの方が合わせやすいので売れ線ですよね。レザー=ブラックというのが王道でもあります。それなのに、ドラマの影響でブランドの看板商品になってしまい、実際に欲しい人がお店に殺到しても商品がないという事態になり、2次市場(中古市場)では値段が高騰しました。当時はまだインターネットでのヤフオクも普及したばかりで、このダウンを求める多くの人は私たちのようなブランド古着を扱うお店に殺到しました。2次市場(中古市場)までも騒がせた、とても記憶に残る名作です。

■復刻で進化し続ける一着

この20年の間に細部をアップデートしたり、限定のラインを作ったりと何度も復刻をし、ここ数年前にも復刻をしています。

エイプ キムタクダウン 品質表示

今回紹介したのは2007年に会員限定オンラインショップ「NFS(NIGO'S FAVORITE SHOP)」(現在は閉鎖)にて販売されたモデルです。ここ数年に発売されたアイテムはダウン/フェザーの割合が9:1なのですが、この時代のダウンはダウン/フェザーが8:2で入っています。当時のものの方がコスト度外視で作られているアイテムが多く、あえてアーカイブ商品を狙うのも面白い選択だと思います。このような掘り出し物を探しあてるのもRAGTAGの楽しみ方の一つです。

ラグタグ NAKAJIMA

NAKAJIMA

カルチャーとリンクしているファッション好きが高じて1999年に入社。長年ファッションに携わっているので過去から現在までのファッションの成り立ちを把握しているのが強みです。ストリートブランドのアーカイブ品のことならお任せください。

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