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BUYER'S VOICE RAGTAGバイヤーのファッション偏愛をお届け!

RAGTAGスタッフもお客さまと同じくらいファッションが大好き。
このコーナーでは、豊富なファッション知識を持つバイヤーたちが、
自ら偏愛するブランドやアイテムをご紹介します。

私の好きなブランド、あのアイテム

HERMES の
カレ

rt銀座店 柳井洋子

馬具から始まりファッション、ジュエリーに至るまで最高級、最高品質を誇る[HERMES(エルメス)]。今回は[エルメス]の「カレ」(スカーフ)の魅力をご紹介いたします。

↑こちらは2002年に購入したファーストエルメスのカレです。入社して間もなく、銀座店にいらっしゃるお客さまの洗練されたカレの使いこなしに憧れて購入しました。その年のテーマは「手」。[エルメス]のポリシーである手仕事をテーマにしたこの年のカレはお気に入りの一つです。身につけることでまだまだ販売員として未熟な自分に少し自身を持たせてくれたのを今でも覚えています。20年近く経った今でも手放す事ができない一枚。

■ファッションにおける[エルメス]といえば……。

世界初のファスナー採用のバッグで歴史を変えたブガッティ(現在のボリード)、有名女優ジェーン・バーキンやモナコ王妃グレース・ケリーの名前のついたバッグ。どの作品も歴史的重みとバッグボーンを感じるレザー製品です。 数々の名品に匹敵する、シルク素材のカレも知れば知るほどその魅力の虜になります。 毎シーズン発表される新作はもちろん、過去の名作(ギネス記録を持つモデルもあります)、人気がありリバイバルされたものなど……。コレクター心をくすぐる危険なアイテムです(笑)。

■手仕事へのこだわり

まず、その素材と制作工程について簡単にご説明します。(ちなみに昨年(2019年)、カレ製造の工程を絵柄にしたモデルが発売されました。可愛らしく細やかな描写がユーモアを感じる一作です。)
[エルメス]のスカーフやネクタイには、適度な伸縮性と柔らかさがあり上品な光沢感を放つ、シルクツイルと呼ばれる綾織の素材が使われます。一つのカレが誕生するまでの工程は平均で約2年と言われています。グラフィックデザイナーが原画を描き、デジタルに取り入れ、それをもとに型を制作。型は一色毎に一型、幾度も重ねて染色を繰り返します。ぶれることなく目視で型を乗せているという職人の高い技術力には本当に驚かされます。素材はもちろん、柔らかな高品質シルクを使用。織り上がった真っ白なシルクツイルが職人達の手によって色鮮やかに仕上がっていく、この技法こそがフランス・リョンが誇るシルクスクリーンです。そして最後に、「縁かがり職人」がカレの縁をくるりと巻き込み縫う“ルロタージュ”で仕上げます。こちらも正確な技術を要する手仕事。仕上がりは正確で、4辺に均一な針目が並びます。
たかがスカーフと侮るなかれ。この一枚のカレはデザイナーと職人の技術を凝縮したアート作品と言っても過言ではないのです。工程を想像すると気が遠くなってしまいますが、[エルメス]は手仕事にこだわります。それはなぜかというと、例えば、“ルロタージュ”で仕上げることで、着用時や、10年20年が経った後でも撚れや歪みが出ません。年数を経た素材の変化まで見越した微調整など、機械作業ではなかなかできない領域です。そして、原画を再現した微妙な色調合、染色の透明感と一線一線の鮮やかさも、手仕事ゆえ。だから類を見ない作品ができあがるのです。

↑[エルメス]の手仕事へのこだわりが感じらえる“ルロタージュ”

■シルク製品のラインナップ

シルクツイルを使った製品の中で最も販売数が多いのは、1937年発売の90cm×90cmのカレです。最初の図柄は「オムニバスゲームと白い貴婦人」。そして1949年にネクタイ、1957年の「ブリッド・ドゥ・ガラ」はギネス記録を持ちます。1973年プリーツ、2003年ツイリー、2009年ディップ・ダイ、2013年マキシ・ツイリーを発売。時代を先取りし、進化し続けるエルメスのシルクツイルの世界は目が離せません。

アーティスト毎に変わるバリエーションも見応えがあります。カレにテーマやアーティスト名が入っていて、調べて見るのも面白いです。

珍しいコラボレーション商品。2013年ドーバーストリートマーケットで販売した[COMME des GARCONS(コムデギャルソン)とのコラボです。箱も特別使用です。(90×90cm)

■How toカレ

こちらは90cmのシルクジャージ。

柔らかいのでぐるりと巻くだけでカジュアル感のあるスタイリングになります。

↑「a cheval sur mon garre」(不死鳥の神話からカレの馬に乗って)というタイトルの絵柄です。こちらは娘の産休明けに仕事復帰する際に購入しました。気持ちを切り替えて頑張りたいときにはやっぱりエルメスのカレの力を借ります。エルメスの中では珍しいモノトーンの色使いと幾何学的な柄がとても使い勝手の良い一枚です。伸縮性があるシルクジャージ素材は使い方次第でドレッシーにもモードにもカジュアルにも変身させてくれます。ドレープの出方がツイルとはまた違った魅力を味わえます。

続きまして90cmシルクツイル。

肩を覆うくらい大きめなので柄を見せることができます。

スカーフリングでアクセントをつけるのも良いですね。

スリムな形はボリュームが出すぎること無くすっきりした印象になります。

丁寧な作り、作り手の想いを感じる物を身につけるときは、自分自身も負けないように心して身につけなければ、そしてその物に相応しくなるためもっともっと磨きをかけなければと思います。 そういう気持ちにさせてくれる物との出会いはファッションの面白さの一つだと私は思います。 お気に入りの一点を探して[エルメス]のカレを楽しみませんか?

柳井洋子

銀座店3階ラグジュアリーフロアを担当しています。 みなさまのお気に入りの一点との出会いをお手伝いをさせていただけるよう、+αの情報をご用意してお待ちしております。

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